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ナレッジのあり方を変えてワークスタイルを変革した企業の実例を見る - (page 4)

富永康信(ロビンソン)

2010-03-22 15:00

すでに始まっている社内Twitterの活用

 吉川氏が、今後リアルタイムなナレッジマネジメントを促進するいくつかの可能性のうちのひとつとして紹介したのが「社内Twitter」の活用だ。

 活用事例として挙げられたのは、オラクルが社内で構築した「OraTweet」と呼ばれるマイクロブログサービスである。オラクルは1年以上も前からこのOraTweetを利用しており、2009年6月からはこのシステムを一般に公開もしている(Oracle Application Express上で動作することが条件)。

 このOraTweetはオラクル内の認証基盤に連携し、全世界8万人のオラクル社員が利用できるようになっている。2009年秋の時点で利用者は1万人強程度で、1日に200〜300人程度がログインし、700〜1200回のつぶやきが投稿され、3000〜6000PVを維持しているという。業務の合間につぶやくことで、気付きの誘発や新たなアイデアの発掘、ブラッシュアップが期待され、既にいくつかの企画が誕生しているという。

 また2つ目は、ブラウザ上のサイドバーを使って、関連するコンテンツを表示しコミュニケーションを取る方法である。「Googleサイドバー」のような仕組みを、企業内でも利用しようというもので、具体的にはフィードバックを社内に投稿するガジェットをブラウザ上に表示させ、通達やマニュアルを見た際に、サイドバーのメッセージ欄から現場での感想や、発見した誤植の指摘をコメントとして投稿し、経営企画室やヘルプデスクなどへ情報提供する。面倒な手順を経ずに情報を集められるので、ホットな情報をリアルタイムに蓄積することができるという。

 可能性の3つ目が、「人」をキーとした社内文書の横断検索である。

 通常、エンタープライズサーチはキーワードで文書検索をすることが一般的だが、検索キーワードに「人名」を入力することで全社のデータベースからその人物に関係する情報を横断的に検索できる仕組みとなる。

 過去に書いた日報や提案書のほか、内線電話や直属の上司名、関連するプロジェクトチーム、社内のコミュニティといった、検索したい人にまつわる情報を一画面で表示する。社内の専門家を探し出す「Know-Who(ノウフー)」的な利用も可能となる。

 たばこ部屋人脈や社内クラブ活動が活発な頃は、草の根のコミュニケーションが日本企業の競争力を下支えしていた面もあったが、そんな余裕が消滅しようとしている今、人名検索によって再び組織横断的に出会いが促進され、リアルタイムに相互理解が進むことで、新たなアイデアや価値の創出が期待できるという。

 そして4つ目は、文書管理データベースにおける「あしあと」機能の追加である。SNSでお馴染みのあしあと機能を、社内の文書管理に応用することで目的の文書を探しやすくしたり、閲覧した社員の一覧から、新たなアプローチをかけたり行動を可視化したりする工夫も可能となるという。

グローバルでの協働作業をポータル画面上のワークプレイスで

 吉川氏は、ナレッジマネジメントの実現によって「ワークスタイルを変革すること」がゴールだと考えている。ではその理想の形とはどのようなものだろうか。

 例えば、他のメンバーのスケジュールやプロジェクト全体の進ちょく管理、グローバルな拠点間での協働作業について、情報共有や意見交換、状況把握をすべてポータル画面上のワークプレイスでできるようにする。組織の方針管理や達成状況などが一覧で示され、状況によってシステムからの警告なども発するようにする。

 さらには、国内のみならず海外のどこからでもポータルへのログインを可能にすることで、各社員の属性に合わせた情報が常に最新の状態で表示されるシステムといったものを実現することで、働き方を変えることができるのではないかと語る。

 「リアルタイムなナレッジマネジメント」の実現によるワークスタイルの変革を実現するためには、情報の発信、収集のみならず、情報へのアクセスも一元的かつ即時的に行えるというのが理想の姿と言えそうだ。

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