NECと大林組は3月29日、2010年秋完成予定の大林組技術研究所新本館(東京都清瀬市)にRFIDタグを活用して入退室や在席情報を管理するシステムを構築することを発表した。
大林組が発案したパーソナル空調・証明制御の基本コンセプトをもとに、中央監視システムとRFID社員証認証システムをNECが構築する。
今回新たに開発したRFIDタグは、検出範囲の正確性が高いとされる“セミアクティブ方式”を採用。RFIDタグが電波を発するきっかけを作るユニット「トリガユニット」が発する電界内にRFIDタグが入った時だけ、RFIDタグは電波を発信する。電界内に長時間いる時は発信頻度を少なくすることで、RFIDタグ内の電池の長寿命化を図ったという。
デスクごとの狭い範囲でRFIDタグによる在席情報を検知する「小型トリガユニット」とRFIDアンテナもNECが開発している。RFIDアンテナで収集した個人認証、入退出、在席といった情報を社員証認証システムと中央監視システムに送信する。大林組は、送信された情報を活用して、省エネルギーをはじめとするさまざまな最適制御が実現するとしている。
このシステムを導入すると、各出入り口では、カードをリーダにかざさなくてもゲートを通るだけで扉が施解錠される。また、確実に各室の在室者を把握できるという。各人が席に着いた際にRFIDタグで個人を認証し、本人であれば中央監視システムへ在席情報を送信する。在席を把握すると同時に、個人単位での空調や照明のオンオフを自動制御することで、省エネルギーを実現するという。
こうした仕組みを活用することで、空調や照明を制御してエネルギー使用量の削減結果を中央監視システムで収集して、個人や組織単位での省エネルギーを“見える化”できるようになるとしている。