クレオは4月1日、会計システム「ZeeM 会計」の最新版を3月31日から出荷したことを発表した。国際会計基準(IFRS)への“コンバージェンス(収斂=しゅうれん)”の一環である「資産除去債務」対応機能を標準で搭載している。
資産除去債務はこの4月以降に始まる事業年度に適用される。除去する可能性のある資産を保持する企業は、その資産を除去する費用を負債として計上する必要がある。除去する可能性のある資産の現在価値を負債に計上する割引計算と資産(資産価額)と債務(除去債務)にかかる両方の減価償却費を計算し、除去債務に必要な毎月の利息額を利息法で算出することが求められる。
新版では、ユーザー企業からの要望を中心に30以上の機能を強化。経営戦略に必要となる財務情報を検索する機能や仕訳データ連携機能などを追加している。
ZeeM 会計は従来から標準帳票のデータを出力する機能を搭載しているが、新版では伝票明細データや残高データを任意の条件で検索できるようになっており、データ活用の効率性が向上するとしている。
仕訳データ連携機能では、ノンプログラミングで自動仕訳を設定できる。上流システムでの仕訳データ作成が不要となることから、煩雑なマスタメンテナンスがなくなり、月次の締め処理や決算処理などの業務効率化が図れるとしている。
クレオは、2009年10月にZeeM 会計のIFRS対応の行程表(ロードマップ)を発表している。ロードマップでは今回の最新版で資産除去債務に対応するとともに、マネジメントアプローチを採用した「セグメント情報の開示」に対応するとしていたが、2009年11月の段階で前倒しでセグメント情報開示に対応している。