NECは5月10日、100床以下の小規模病院向けに電子カルテシステムをSaaS型で提供する「MegaOakSR for SaaS」を開発、7月から販売を開始することを発表した。サービス提供は12月から開始となる。
MegaOakSR for SaaSは、診療データを日本国内のデータセンター内で管理し、電子カルテやオーダリング、看護などの主要機能をネットワーク経由で提供する。厚生労働省の標準規格で定められた診療データの標準化に対応した国内初のSaaS型電子カルテシステムという。複数の医療機関が診療情報を共有して連携を強化する地域医療連携ネットワーク「ID-Link」に接続できる機能があり、地域医療連携ネットワークサービスに低コスト、迅速に加入できるとしている。
電子カルテシステムの導入ニーズが高まっていながら、セキュリティの高さやスペースの確保、専門要員の育成などの運用コストも課題となっている小規模病院に対して必要な機能をSaaS型で提供することで、低価格での導入が可能だという。NECの試算によれば、医療機関が同等のシステムを従来のSI型で導入、運用するのに比べ、総所有コスト(TCO)を5年間で最大30%低減できるとしている。システムの運用はデータセンターで行うため、医療機関は専用のスペースや要員の確保が不要となり、負担を軽減できるだけでなく、最短2カ月で利用でき、業務改革のスピード化につなげられるとしている。