Microsoftの最高経営責任者(CEO)、Steve Ballmer氏が、Appleが6月上旬に開催する「World Wide Developers Conference(WWDC)」に出席するというある財務アナリストの予想を受け、開発者らがさまざまなうわさをしている。Microsoftのツールスイートを使って「iPhone」アプリ開発をサポートする「Visual Studio 2010」の追加機能を、Ballmer氏自らが発表するのではないかという憶測が主流を占めているようだ。
Visual Studio 2010には「Windows Phone 7」アプリ開発用のアドオンがあるし、その可能性も否めないが、他のことが進行しているのではないか。Ballmer氏がWWDCにカメオ出演し、そこで何か発表するとすれば、iPhone向けのSilverlightではないかとわたしは予想する。
アップデート:MicrosoftはTwitter経由でBallmer氏のWWDC登場の可能性を否定している。Ballmer氏以外のMicrosoft幹部が出席する可能性については、コメントはない。
SilverlightとiPhoneに話を戻そう。
Sax Softwareの社長兼創始者、Mike Sax氏が以下のようなTwitterメッセージを書いている。
アップデート:わたしのTwitterフォロワーの2人(@makram氏と@clubdirthill氏)は、以前からうわさがあるiPhoneおよび「iPad」向けの「Bing」を発表するのではないかと予想している。なかなかの線だと思う。Ballmer氏が登壇するのなら、もう少し規模が大きいトレードになりそうだ(iPhone向けSilverlightが実現するなら、iPhone向けのBingと取引してもよい、みたいな)。
Microsoft側からは、Ballmer氏とWWDCに関するうわさは聞こえてこない。だが、可能性がまったくないということはないだろう。MicrosoftとAppleは携帯電話とPCではライバル関係にあるが、MicrosoftはMac向けに「Office」を提供しているのだ(最新版は、2010年の年末商戦に登場する見込みだ)。
さらに言うなら、WWDCはMicrosoftの開発者/ITプロ向けカンファレンス「TechEd」と同じ週に開催される。Microsoftは米ニューオーリンズで開催されるTechEdで、どの幹部(サーバ&ツール部門の社長、Bob Muglia氏以外)が基調講演を行うのかを明らかにしていない。これはつまり、Ballmer氏はTechEdには登場しないという可能性が強く、Ballmer氏がサンフランシスコ(WWDCの開催地)に行くことは十分考えられる(WWDCからTechEdにウェブキャストされる)、ということになる。
Microsoftは数年前から、iPhone向けのSilverlightの可能性を示唆している。AppleのCEO、Steve Jobs氏はiPhoneとiPadでSilverlightのライバル「Flash」搭載を拒否しており、MicrosoftはここでAppleを味方に付けたいところだ(Appleにしてみれば、自社モバイル端末でリッチメディアコンテンツを閲覧したいユーザーに代案を提供できることになる)。
だが、Silverlightは、Appleの「Safari」(および「Internet Explorer」「Firefox」)でプラグイン経由で動くメディア再生ソフトウェアであるというだけではない。Microsoftが「Windows Phone 7」で開発者に提供する2つの開発プラットフォームの1つ(もう1つはゲーム向けの「XNA」)でもあるのだ。
Microsoftにとって、SilverlightをiPhone開発者向けに拡大することはそれほど難しいことなのだろうか?
うわさは本当だろうか?MicrosoftはSilverlightでの開発を奨励するために、スマートフォン戦略における強み(優れた開発ツール)を犠牲にする用意があるのだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ