富士通は5月31日、自治体向け住民情報システムの新ソフトウェア「MICJET MISALIO」が、兵庫県の淡路市、相生市、および奈良県上北山村の3団体に採用され、4月より本稼働したと発表した。
MICJET MISALIOは、富士通が従来のソフトウェアで提供していた住民記録、税務業務に、新たに子育て支援業務などを追加し、住民情報の窓口業務に必要なサービスを包括して提供しているという。また自治体ごとの業務にあわせて適用できるよう、さまざまなメニューや帳票サンプルなどのテンプレートを用意しており、ノンカスタマイズ適用と短期のシステム稼働が可能だという。淡路市では、住民記録の導入において、従来のソフトウェアを利用した構築期間(約1年)に比べ、約6カ月という短期間での稼働を行ったという。
また、同ソフトウェアは月額利用料制であり、自治体の人口に応じた定額の使用料で利用できる。このため、導入時にかかる一時経費を平準化し、従来製品より年間で最大50%のコストダウンが可能になるとしている。さらに、月額の利用料内で、定常的な法制度改正にも対応するとともに、住民サービスの向上に向けた機能強化も行われることになっており、利用開始から10年間の継続利用を保証するとしている。
富士通では、同ソフトウェアについて、ほか9団体においてもシステム構築中であるという。また今後、総務省提唱の自治体クラウド構想に対応するためSaaSでの提供を行う予定だ。これにより、複数の自治体での共同利用によるコスト低減を実現できるとしている。同社は、今後3年で200団体に対し、同ソフトウェアの販売を目指す。