このような加減乗除がExcelで簡単に行えることは多くの人が知っているだろう。「なんだこの程度か」と侮るなかれ。初歩の初歩とはいえ、これもデータから、指標を算出して知見を得る、立派な「BI」なのである。
ただ、Excel通の方なら、Excelにアドインツールをインストールして、SQL Serverが備えたBI機能を提供する「SQL Server Analysis Services」にアクセスすると、Excelからさらに高度な分析を簡単に行えることを思い出すのではないだろうか。
上図はサンプルデータを使って、12カ月後までの数値の推移を予測したグラフである。Excelのデータマイニングアドインによる予測分析には、統計学でいう回帰分析のアルゴリズムが用いられているようだが、私たちユーザーはそうした高度なアルゴリズムを知らなくても、数クリックするだけで予測分析を行える。データベースにSQL Serverを使っている企業であれば、エンドユーザーがそれぞれに必要なデータを引き出し、デスクトップにあるExcelを使ってさまざまな分析を行える環境が既に用意されているのだ。一般の社員にとって「データ分析」が身近なものになれば、その企業の業績にも何らかの良い影響が期待できるかもしれない。
さて、今回は一番身近なBIツールとして、決算書やExcelによるデータ分析について見てきた。次回は、状況を把握するためのBI、「見える化」あるいは「見せる化」を実現するBIツールについて見ていこう。