SAPジャパンは6月30日、同社の製品含有化学物質管理ソリューション「SAP product and REACH compliance」を基盤にした、化学物質情報管理システム「REACH化学物質集計システム」をシャープに納入し、6月から本格稼働を開始したことを発表した。
同システムの開発および構築は、シャープの関係会社で、シャープにおける環境分野でのシステム構築で実績を持つシャープシステムプロダクト(SSP)が担当した。2009年6月に導入プロジェクトを開始、約1年で運用開始に至ったという。
今回のシステム構築と導入について、シャープは、2007年に施行されたREACH規則に対応するためだとしている。
REACH化学物質集計システムは、「SAP ERP」ベースの商品やデバイスの構成表との連携を柔軟に行える点が特徴。多言語対応が可能なSAP product and REACH complianceを基盤としている。これにより、複写機など部品点数が1000点を超える製品について、化学物質含有量の集計や化学物質含有情報の収集と管理をグローバルで一元的に行うことが可能となったという。また、今後のREACH規則等の含有化学物質規制の他の国や地域への拡大にも容易に対応できるとしている。
同システムは、すでに同社で稼働していたSAP ERPとの親和性が高く、REACH規則に対するコンプライアンスチェックを自動で実施でき、管理の高度化を実現したとしている。
なお、SSPでは、SAP product and REACH complianceを基盤に、業界標準フォーマットや製品別の含有化学物質量集計結果の世代管理など、固有要件への対応経験やノウハウを「シャープREACHモデル」としてテンプレート化し、ユーザーへの提供を開始するという。同テンプレートを活用することで、REACH規則対応を検討している企業は、システム導入の短期化を図ることができるとしている。
SAP product and REACH complianceは、環境・安全・衛生に関する規制対応やコンプライアンス遵守をサポートする「SAP Environment, Health,and Safety Management(SAP EHS Management)の一機能として提供される。