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新着記事集:「負荷分散」

世界レベルに追いつけ、追い越せ--Imagine Cupに2年連続出場した高専生

藤本京子(編集部)

2010-07-13 12:00

 Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2010」にて、2年連続組み込み開発部門の世界大会に参戦した東京工業高等専門学校のチームCLFS。前回出場時のメンバー4人のうち3人は卒業してしまったため、唯一の在校生となった有賀雄基氏がリーダーとなって再び世界に挑戦した。1回戦で敗退した前回から一歩前進し、今回ポーランドで行われた世界大会では1回戦を突破してベスト10に残ることができた。

 CLFSが2年連続Imagine Cupにて披露した作品は、電子母子健康手帳「Electronic Maternal and Child Health Handbook」だ。母子手帳導入後に乳児の死亡率が激減した日本の事例から、全世界で共通して使える母子手帳を提案しようというもの。特に今回は、昨年よりインターフェースを改善し、識字率の低い地域でもアイコンだけで妊娠時の健康チェックや乳児の発育チェックなどを行えるようにした。

緊張の第1回プレゼンテーション

 世界大会の地となったポーランドの首都ワルシャワには、有賀氏以外にも久野翔平氏と、マレーシアからの留学生Lydia Ling氏が同行した。プレゼンテーションを主に担当したのは有賀氏とLing氏で、デモは久野氏が中心となって行った。審査員からの質疑応答時には、Ling氏の英語力が助けとなった。

Embedded 1回戦に挑むCLFSのメンバー。左から、久野翔平氏、Lydia Ling氏、有賀雄基氏

 7月4日に開催された1回戦では、各チームが個室にて審査員を前にプレゼンテーションを披露した。緊張した表情の3人だが、ぎりぎりまで念入りにプレゼンテーション内容をチェックし、本番に挑んだ。最初にリーダーの有賀氏が電子母子手帳の概要を紹介、続いてLing氏と久野氏がデモを交えて電子母子手帳の使い方を説明した。女子学生らしく感情を素直に表現するLing氏はプレゼン終了後、「緊張した。でも楽しかった!」と明るい笑顔を見せた。

 1回戦の結果は、同日中に発表された。組み込み開発部門の世界大会に挑んだチームは全世界の代表15チーム。うち10チームが2回戦に進んだ。「Japan!」と呼ばれた瞬間、3人は飛び上がって喜んだ。Ling氏の目に涙が浮かんだのはもちろんのこと、普段は感情を表に出さない久野氏もとびきりの笑顔だ。2009年には1回戦さえ突破できない悔しさを体験した有賀氏も、ようやく舞台上に立てる喜びをかみしめた。

Imagine Cup 1回戦を突破し、壇上で笑顔を見せるCLFSのメンバー(左から有賀氏、久野氏、Ling氏)

 翌5日に開催された2回戦では、特にプレゼンテーションの時間は用意されていなかった。2回戦で与えられた20分という時間は、すべて審査員からの質問に受け答えする時間なのだ。すでにこのようなソリューションは市場にあるのではないか。太陽光でデバイスを動かせる仕組みも用意しているが、そのために必要なエネルギーはどれくらいなのか。システムの損益分岐点はどの程度なのか。ネットワーク接続は本当に確保できるのか。さまざまな質問が飛んだ。

 正直、すべての質問に満足のいく解答が用意できたとは言えない。損益分岐点やエネルギー量も試算していなかった。しかし、事前の研修で「どうしても答えられない質問に対しては、現在調査中だと答えたり、今後の研究課題とするといった答え方をすればよい」と英語講師のAdrienne Gilliver氏より指導を受けていた。こうした事前研修の成果もあって、3人は終始堂々とした態度で20分という時間を乗り切った。

Embedded 2回戦で審査員からの質問に耳を傾けるCLFSのメンバー(左から有賀氏、Ling氏、久野氏)

決勝進出への壁

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