より現実に近いバーチャル環境の実現を目指すダッソーの「V6R2011」

山下竜大

2010-07-28 14:47

 ダッソー・システムズは、6月29日にPLM 2.0プラットフォームの最新リリースである「V6R2011」を発表した。V6R2011では、コラボレーティブクリエーションおよびコラボレーティブイノベーションに関する機能が強化されるなど、874種類の新しい機能が追加、拡張されている。

 ダッソー・システムズのCATIA BT営業部 ディレクターである田中昭彦氏は、「V6R2011における最大の強化ポイントは、“より現実に近いバーチャル環境を実現”できること。コラボレーティブクリエーションおよびコラボレーティブイノベーションに関する機能が強化されたことで、生産現場における活用だけでなく、より広い分野で活用できるソリューションとなっている」と話す。

 CATIA V6R2011では、システム工学向けの新しいライブラリを統合することで、ダイナミックな挙動モデリングとシミュレーション機能を提供する。この機能は、2006年に買収を発表したDynasimのModelicaベースのモデリング/シミュレーションソリューションをCATIAに取り込んだものだ。

 また、2007年に買収したICEMの技術を完全統合することで、デザインからモデリングまでの一気通貫の仕組みを実現。メカ設計からアセンブリ作業までの効率化を実現している。そのほか、CATIA V6R2011の最新機能は、YouTubeの「3dsCATIAチャンネル」で紹介されている。

 また、SIMULIA V6R2011では、複数の設計案を評価することで、プロトタイプの回数を低減しながら、製品性能の信頼性を向上し、設計における迅速な意思決定を可能にするリアリステックシミュレーションを提供。製品開発の初期段階からSIMULIAのシミュレーションを活用することで、製品開発における利益率を大幅に向上することが可能になる。

 さらに、ダッソー・システムズが提唱するPLM 2.0を実現する基盤となるPLMプラットフォーム製品「ENOVIA V6R2011」では、一般消費財(CPG:Consumer Packaged Goods)業界向け、アパレル業界向け、ハイテク業界向け、半導体業界向け、自動車業界向けの新しいテンプレート機能を提供。製品の迅速な市場投入から効果を得るまでの期間を短縮することが可能になる。

 そのほかPLM Express V6R2011では、CATIAモールド・デザイン・パック(MTK)内でのMCEとのセット販売やCATIAライブ・シェイプに類似したシートメタル・ベント・デザインの採用など、中堅中小規模の企業向け機能が強化されている。

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