ネットアップは8月4日、インターネットイニシアティブ(IIJ)が提供するクラウド型大容量ストレージサービス「IIJ GIO ストレージサービス」のプラットフォームとして、同社の「NetApp FASシステム」が採用されたことを発表した。NetApp FASシステムは、東日本と西日本に分散配置されたIIJのデータセンターに複数セット導入された。総物理容量約2ペタバイトの大容量ストレージで、1Gバイトあたり月額48円という低価格のクラウド型ストレージサービスを支える基盤となる。
IIJは同日、ネットアップのストレージシステムを既に利用しているユーザーが、企業内にストレージを新規に導入することなくIIJ GIOのストレージ上にバックアップを行う「IIJファイルサーバ リモートバックアップ for NetAppソリューション」を10月より提供することも発表。災害対策をはじめ事業継続計画(BCP)をサポートするサービスメニューの拡充を行ったとしている。
IIJ GIOストレージサービスは、IIJのクラウドサービス「IIJ GIO」の主軸サービスのひとつ。企業がストレージを用意することなく1テラバイト単位で大容量のストレージをネットワーク経由で活用できる新サービスとして、8月より提供が開始された。IIJでは今回、同サービスの基盤となるストレージシステムを選定するにあたり、総合的なコストパフォーマンスの高さに注目したという。
NetApp FASシステムは、単一のストレージシステムでCIFS、NFS、iSCSIなど複数の接続形態をサポートしている。また、災害時には物理的な設置環境に依存することなく効率的なデータ保護と災害復旧の自動化を行うデータレプリケーション機能「SnapMirror」を有効活用し、シンプルな運用が可能となるバックアップ環境を構築。そのほか、プライバシーとセキュリティを確保しながら単一ストレージを複数のユーザーが同時に使用できるマルチテナント機能「Snapshot」を活用することで、ストレージリソースの利用効率を向上させ、サービスの低価格化を実現している。これらストレージ管理機能の充実はもとより、柔軟な冗長構成による高い信頼性や実運用上での性能劣化や機能制限の少なさなど、総合的な安定性と性能が評価された。
さらに、IIJは膨大な数のサーバやストレージの効率的な運用管理には自動化が重要になると考えており、ネットアップ独自のソフトウェア開発環境によってAPIが豊富に提供されることも大きな採用理由になったという。
今後IIJでは、データのアクセスを停止することなく、データ格納環境を素早く簡単に別のストレージに移動できる機能「Data Motion」の導入を検討するなど、ネットアップの豊富なストレージ管理機能を有効活用し、高いサービスレベルと低価格化の両立によって国内におけるクラウドサービスの普及を促進していく方針だという。