既存のソフトウェア流通網と共存
Mac App Storeがスタートするからといって、既存のソフトウェア流通網が消滅するわけではない。これまでどおりパッケージは販売されるだろうし、オープンソースソフトウェアの開発と配布も従来どおり続くはず。App Store経由でなければソフトを入手できないiOSとの決定的な違いはここにある。
パッケージング不要、返品リスクなし
一般的に、パッケージソフトを販売しようとすると、開発費にくわえてパッケージング(製造費)とユーザーサポート、広告、そして営業というコストが発生する。
ダウンロード販売の形をとるMac App Storeでは、そのうちパッケージングと営業が不要になるうえ、返品と在庫リスクがない。しかも世界に向けて販売でき、ユーザーを確実にフォローできる(ユーザーにレジスト作業を求めずに済む)メリットがある。
デベロッパーの取り分について公式な発表はないが、仮にApp Storeと同じ70%とすると、希望小売価格の50%程度とされるパッケージソフトの仕切り価格に比べ、おおむね好条件といえるだろう。機動的に価格設定できることも、プラス材料と考えられる。
サードパーティー製ソフトウェアの「審査」
Mac App Storeは、いわばApp StoreのMac版。開発にはガイドラインが定められ、Appleによって「審査」される。iOSをターゲットとするApp Storeの成功体験をもとに、Appleは長年の懸案であるMac向けサードパーティー製ソフトウェアのコントロールに乗り出すわけだ。しかも、MacデベロッパーはiOSアプリデベロッパーであることが多く、この方式をすんなり受け入れられる土壌がある。
Mac Developer Programへの登録
開発したソフトウェアをMac App Storeへ登録するには、まず「Mac Developer Program」への参加が必要だ。コストは年額1万800円、iOS Developer Programとは別に申し込まなければならない。
開発ガイドラインもメンバー以外には非公開で、iOSアプリとは分けられている。なお、ガイドラインはNDA保護下にあるため、メンバー以外は読むことができない。