日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は12月20日、中堅中小規模企業向けファイルサーバ専用NAS(Network Attached Storage)の新製品を発表した。これにより、IT管理者のいない中堅中小規模企業においても簡単かつコストを抑えてファイルサーバ環境を構築できるとしている。
今回、新たに発表されたのは「HP StorageWorks X1000 G2 Network Storage System(X1000 G2シリーズ)」から4モデル、および「HP StorageWorks X3000 G2 Network Storage System(X3000 G2シリーズ)」から2モデルの計6モデル。
X1000 G2シリーズは、「HP ASM」ソフトウェアを標準搭載し、中堅中小規模企業向けのファイルサーバに最適化したモデルだという。1Uラックマウント型の「X1400 G2」から、5Uタワー型の「X1500 G2」、2Uラックマウント型で高密度大容量の「X1600 G2」、2Uラックマウント型で外部拡張を重視した「X1800 G2」まで、幅広いラインアップを用意したとしている。
X3000 G2シリーズは、ゲートウェイとしてデザインされ、各種ディスクアレイ製品と接続して利用できるため、容量ニーズの大きいユーザーに高い拡張性を提供するという。また、クラスタソフトウェアのライセンスが標準で付属しており、2ノード以上でクラスタ構成にすることで、可用性の高いファイルサーバ環境を構築できる。1Uラックマウント型でコンパクトなエントリーモデル「X3400 G2」、およびエンタープライズ規模のクラスタ構成を想定したファイルサーバー専用NASゲートウェイモデル「X3800 G2」の2モデルをラインアップしている。
新製品は、いずれもレジストリレベルでファイルサーバに最適なチューニングを施した「Microsoft Windows Storage Server 2008 R2」をOSとして採用。これにより、汎用サーバより最大20%高速なファイルサービスを提供するという。また、汎用サーバでは、アクセスするユーザー数に応じたClient Access License(CAL)の購入が必要だが、X1000 G2、X3000 G2シリーズ製品には、CALが無制限でバンドルされているため、アクセスするユーザーが増えた場合でも、CALを追加購入することなく利用できる。
さらに、スナップショット(Volume Shadow Copy Service)機能を搭載しているため、事前にバックアップとしてスナップショットを取っておくことで、ストレージサーバ上に保存したファイルを誤って削除しても、業務を停止することなくユーザー自身の手でファイルを復旧できる。重複ファイル排除機能(Single Instance Storage:SIS)では、ファイルサーバ上の同一のファイルを判別し、自動的に統合する機能を提供。ファイルが更新されている場合は異なるファイルとして保存されるため、重複したファイルのみを減らして、空き容量を確保できるという。
X1000 G2シリーズの提供価格は「X1400 G2」の56万7000円から、X3000 G2シリーズは「X3400 G2」の59万8500円から。