アイ・ティ・アール(ITR)は12月21日、データウェアハウス(DWH)用データベース管理システム(DBMS)市場の2009年度の市場規模、および同市場におけるアプライアンス市場のベンダーシェアを発表した。
同調査では、2009年度の国内DWH用DBMS市場をパッケージソフトウェア市場およびアプライアンス市場に分類したという。それぞれの市場規模を見ると、パッケージソフトウェア市場は前年からほぼ横ばいの18億5000万円となったのに対して、アプライアンス市場は同23.1%増の73億5000万円と拡大した。市場全体のなかでの比率もほぼ2対8となり、アプライアンスでのDWH用DBMS製品が好調な勢いを見せているとITRでは説明している。
さらに、2009年度の国内DWH用DBMSアプライアンス市場のベンダーシェアを見ると、テラデータおよびネティーザの専業ベンダーが前年と同様に上位のポジションを堅持したが、後発で参入したオラクル、マイクロソフト、IBMの主要なRDBMSベンダーが3位から5位につけた。なかでもオラクルは10.9%のシェアを獲得し、2位のネティーザに肉迫しているとITRでは指摘している。
ITRのシニアアナリストである生熊清司氏は、「オラクルのアプライアンス市場参入によって、市場全体が比較的大きな伸びを維持した。DWH用DBMSの採用は、従来は流通業や金融業が中心だったが、厳しい経済環境下での効率的な販売戦略を実施するために、他の産業でも採用が拡大している。また、Greenplum買収によるEMCの積極的な展開、マイクロソフトのSQL Serverの新しいエディションのリリース、そしてSAPのDWHを含むアプライアンス市場への参入の発表を受け、2011年に向けてDWH用DBMSアプライアンス市場はさらなる拡大と競争の激化が予想される。今後の方向性としては、オラクルやSAPなどのアプライアンス製品は、DWHとOLTPの両方を対象としていることから、DWHのみならず、あらゆるDB用途に採用が拡大することが考えられる」とコメントしている。
ITRでは、国内のデータベース管理システム(DBMS)、ビジネスインテリジェンス(BI)、および経営パフォーマンス管理製品を対象に国内45ベンダーを調査した結果に基づく市場規模および動向分析を「ITR Market View:DBMS/BI市場2010」としてまとめている。