アイ・ティ・アール(ITR)は3月10日、Learning Management System(LMS)を提供する国内ソフトウェアベンダー21社の製品調査を行い、調査結果を市場調査レポ−ト「ITR Market View:LMS市場2010」としてとりまとめたことを発表した。
同レポートによれば、2008年度の国内LMS市場は、出荷金額ベースで約29億円、前年比10%増に拡大したという。提供形態別の調査では、パッケージ製品の出荷金額が縮小傾向にあるのに対し、2008年度のASP・SaaS型LMS市場は、出荷金額ベースで約13億円、前年比34.7%増と大きな伸びを示したという。
ベンダーシェアを見ると、上位2社は前年度から変わらず東芝ソリューションが1位でパナソニック電工インフォメーションシステムズが2位と順位を維持したが、これまでパッケージ製品が主体であったサムトータル・システムズが大きく伸びて3位につけ、市場の伸びを牽引したとしている。ITRは、LMS市場でASP・SaaS型は、2009年度も前年比24.6%増の伸びと全体の過半数の53.2%のシェアを占めると予想している。
ITRのシニア・アナリストである甲元宏明氏は、「企業の多くでは非コア業務のシステム運用のアウトソーシングに拍車がかかると見られ、LMS市場でも今後ASP・SaaSの割合は増加していくと予測している。しかし、医薬や公共公益など外部システムへのデータ保管が認められない業種ではオンプレミス型システムの利用が継続されると考えられ、一気にASP・SaaSモデルにシフトするとは考えにくいだろう」とコメントしている。