東日本大震災は、東北地区の数多くの製造拠点を襲った。
パソコンの生産拠点も、その例外ではない。
東北地区には、NECのノートPCおよびデスクトップPCを生産するNECパーソナルプロダクツ米沢事業場が山形県米沢市がある。ここも地震の影響を少なからず受けている。
米沢事業場の復興の様子を追った。
生産ラインフル稼働の時、東日本大震災が発生
福島駅から山形新幹線で一駅目となるJR米沢駅。歩いて10分ほどの場所に、NECパーソナルプロダクツ米沢事業場はある。震災当日の米沢市の震度は5強の強い揺れだった。
インテルのチップセット問題により、2月に予定されていた春モデルの出荷が遅れ、3月10日から順次再出荷を始めていたNECにとって、3月11日の震災当日はまさに生産ラインがフル稼働状態。通常の約500人のスタッフに加えて、300人を増員し対応していたところだった。開発部門やスタッフ部門を含めると、この時、約2000人が勤務していた。
地震直後、従業員は屋外に避難。すぐに全員の無事が確認されたものの、建屋内部では、壁が崩れたり、照明器具が落下した場所もあった。幸いにも、生産ラインには地震による大規模な被害はなかったという。
社内システム停止、ネットワーク回線の確保に奔走
しかし、震災翌日に事業場内の安全確認作業を開始したところ、生産管理や部品調達管理、工程進捗管理を行う社内システムが停止していたことがわかった。