編集部からのお知らせ
ZDNet Japanが新しくなりました!
New! 懸念高まる産業機器のセキュリティ

ITが進化する方向に議論の余地などない - (page 3)

宮本認 (ガートナー ジャパン)

2011-05-12 17:55

ITとは結局、何なのか?

「う~ん…流石。今日、僕が用意していた話、もう終わっちゃいましたね。今日は完全に部長に一本取られちゃいましたね。そこまで、もう理解を深めていただいているならば、ITとして何を目指すべきか、その点はもう僕の方から語る必要はなさそうですね。でも、お時間もありますから、用意した話はもうこれで切り上げて、部長の関心について、フリーでディスカッションしましょうか?」

「そうだね。たまには、そういうのもおもしろい。じゃ、今日はそうしよう。たまには目的が不透明な打ち合わせがあってもいい。じゃ、宮本くん。僕から議論の口火を切ろうかなぁ。ITって何?」

「は?」

「だから、『ITって何?』って質問だよ。最近もう一度、この基本を考え直しているんだ。しばしば、ITは業務改革の道具だと言う。しかし、ウチの会社に『ITを入れて業務が良くなった』と実感している人は、実は余り多くはない。ITを使って情報武装という言い方もあるね」

「まぁ、そうですね」

「でも、ウチの営業は情報武装なんてやるレベルじゃないよ。もっと簡単なことしかできないよ。取引先と仲良くなって情報をもらって、ウチの技術をきちんと取り次いでね。中には情報武装的なことをやっているものもいるだろうが、多数は特段情報武装をしなくても、営業はできていく。残念ながらね。この状態について、多くのコンサルタントは活用ができていないという。ただ事業はちゃんと回っているんだ。苦しいとはいえ、他社に較べて利益だって出している。必要な仕組みにはちゃんとユーザーが情報を入力し、誰かがそのアウトプットを使っているということだ」

「はい…」

「ただ、誰もITを不要だとは思っていない。メールなども、弊害を説く役員もいるけど、トータルで見れば随分と便利になったよね。むしろ、ITが大切だと気付き始めている人も少なからず増えてきた。さっきも言ったけど、この前の震災の数日後にあった話だが、『ITがあってくれて本当に良かった。ないと思うとぞっとする』と多くの部長から言われた。皆、必要なインフラだとは思っている」

「………」

「他にも疑問がある。基幹系とは、本当に“基幹”なのかね。確かに、金融機関の基幹系システム、勘定系って言うんだっけ? これらは基幹だろうし、この良し悪しが企業の競争優位を決めていると言っても過言ではないことは想像がつく。システムの失敗が社会問題化するぐらいだからね。でも、我々のような製造業にとって、ERPが競走優位の源泉になるか? と言うと、決してそんなことはないよ。宮本くんは、どう思っているの?」

編集部より:企業としてどのようなITを目指すべきか――。驚いたことに“部長”はすでにはっきりとした答えを持っていました。しかし、会話は思わぬところ方向に……。中編は5月19日に掲載予定です

Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookページTwitterRSSNewsletter(メールマガジン)でも情報を配信しています。現在閲覧中の記事は、画面下部の「Meebo Bar」を通じてソーシャルメディアで共有できます。東日本大震災の情報は、特設サイト「ZDNet Japan after 3.11」にまとめています。

宮本認(みやもとみとむ)

ガートナー ジャパン株式会社

コンサルティング部門マネージング・パートナー

大手外資系コンサルティングファーム、大手SIerを経て現職。16業種のNo.1/No.2企業に対するコンサルティング実績を持つ。ソリューションプロバイダの事業戦略、組織戦略、ソリューション開発戦略、営業戦略を担当。また、金融、流通業、製造業を中心にIT戦略、EA構築、プロジェクト管理力向上、アウトソーシング戦略プロジェクトの経験も多数持つ。

編集:田中好伸

Twitterアカウント:@tanakayoshinobu

青森生まれ。学生時代から出版に携わり、入社前は大手ビジネス誌で編集者を務めていた。2005年に現在の朝日インタラクティブに入社し、ユーザー事例、IFRS(国際会計基準)、セキュリティなどを担当。現在は、データウェアハウス、クラウド関連技術に関心がある。社内では“編集部一の職人”としての顔も。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

Special PR

特集

CIO

セキュリティ

スペシャル

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]