マカフィーは8月4日、iPhoneやiPadなどのモバイル端末が世界中の企業に広がっている状況を受け、「ITのコンシューマライゼーションが意味するもの」と題して、その意義やセキュリティ対策などをブログで解説している。多くの調査分析で2011年にはタブレット端末が企業で急増すると予測しており、IT部門は予算縮小の中、モバイル端末の企業ネットワークへのアクセスを是認する必要に迫られている。
マカフィーが3月に発表した「リスク&コンプライアンスに関する展望:2011」(英語、PDF)レポートでは、回答者の半数以上がITのコンシューマライゼーションでセキュリティの懸念が高まると考え、約半数(45%)が自分の端末や関連技術を企業ネットワーク内で管理することが「極めて重要」だと感じているという。
しかし、従業員のモバイル端末で貴重な企業データに自由にアクセスさせることは、紛失や盗難によるデータ漏えいの可能性も高く、非常に危険であり、また個人のモバイル端末はマルウェア対策が十分ではないことから、企業が数年かけて作り上げてきたセキュリティ基盤に穴が開けられる可能性もあるとしている。
ITのコンシューマライゼーションにより、企業の情報ネットワークの境界は明確ではなくなっており、エンドユーザーと、携帯電話や自宅PCなどエンドユーザーが所有する端末がネットワークの終点になっている。このような環境では、従来よりもずっと複雑なセキュリティが要求されるとしている。多くの企業では、モバイル端末管理(MDM)を導入して対応している。特にニーズが高いのは、リモートでのデータ暗号化、モバイル端末の紛失や盗難でデータを保護するためのデータ消去の徹底だという。
マカフィーではそれらのセキュリティ対策として、モバイル端末を企業全体のセキュリティに組み込み、他のエンドポイントと一緒に監視してレポートを作成すると同時に、マルウェア対策のような技術を配備、モバイル端末のウェブアクセスを保護してデータ漏えいを防ぐことを提唱している。