プライベートクラウド管理ソフト、年平均43%で成長--IDC予測

富永恭子 (ロビンソン)

2011-09-14 17:52

 IDC Japanは9月14日、2010年の国内プライベートクラウド管理ソフトウェア市場の市場規模実績と2015年までの予測を発表した。2010年の市場規模は、前年比66.3%増の33億7900万円、2011年は同39.3%増の47億800万円になる見込みだという。IDCでは、2010年〜2015年の年間平均成長率(CAGR)は42.7%で成長し、2015年には200億円に達すると予測している。

 IDCでは、「プライベートクラウド管理ソフトウェア」を、仮想化基盤上のITリソースに対して、ITリソース管理、プロビジョニング、オーケストレーションなどの「自動化」、サービスカタログ、サービスポータルなどの「サービス管理」、ITサービス使用量計測、課金などの「メータリング」の3つの機能を提供するソフトウェアと定義している。同市場は、2010年からデータセンター事業者や情報システム子会社などを中心にプライベートクラウドの構築が進んだことを背景として、立ち上がりを見せたという。

国内プライベートクラウド管理ソフトウェア市場の売上額の予測(出典:IDC Japan)
国内プライベートクラウド管理ソフトウェア市場の売上額の予測(出典:IDC Japan)

 同社が5月に国内企業245社を対象に実施したユーザーアンケート調査では、既にサーバ仮想化を実施している企業のうち、プライベートクラウドの構築を進めている企業は36.7%、今後の計画に入っている企業は17.7%で、仮想化からプライベートクラウドへ進む意向のある企業は50%を超えた。このうち、およそ半数は2年以内にプライベートクラウド管理ソフトウェアの導入を予定しているという。現在サーバ仮想化の実施を予定している企業では、約75%がプライベートクラウドの構築を計画に入れているとしている。

 IDCは、今後のプライベートクラウド管理ソフトウェア市場は、短期的にはサーバ仮想化からの延長として導入されやすいITリソース管理とプロビジョニングが市場をけん引していくとみており、2013年頃からサービス管理の本格的な導入が進んでいくと予測している。

 IDC Japan、ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの入谷光浩氏は、「仮想化を実施している、もしくは予定している企業の多くは、プライベートクラウドを視野に入れている。ユーザーとベンダーは、プライベートクラウド管理ソフトウェアを活用して自動化、サービス管理、メータリングを実現した真のプライベートクラウドの構築を進め、企業のITの競争力をよりいっそう強固なものにし、お互いWin-Winの関係を築いていく必要がある」とコメントしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]