コスト面での優位性を強調
Oracle VMのようなハイパーバイザを中心にした仮想化技術の進展で、企業のクラウド、特にプライベートクラウドも拡大を見せている。それにあわせてオラクルでもクラウド対応を強化している。その一つが、OpenWorld 2011で発表された統合運用管理ツールの新版「Oracle Enterprise Manager 12c」である。Enterprise Manager 12cはクラウドをライフサイクルで管理することを強みとしており、Oracle VM 3.0をベースにしたVMの管理がしやすくなっている(12cの“c”は「cloud」のcである。11gの“g”は「Grid」のg)。
今回のOracle VM 3.0にあわせて「Oracle VM Templates」も提供される。このVM Templatesは、同社製のDBやミドルウェア、アプリケーションを構築・構成したVMとして提供される。VM Templatesは同社ウェブサイトからダウンロードして管理ツールのVM Managerにインポートして、活用できる。構築・構成がすんでいることで余計な時間をかけることなく、まとまったVMを作ることができる。テンプレートの数は90以上になるとしている。
現在、日本を含めた世界中の企業が、サイロとなってしまった業務システムの効率化を目指してサーバの集約を展開している。ここで、ハイパーバイザによるサーバ集約の事実上の標準と指摘できるのがVMwareだ。VMware製品についてScreven氏は「単一のソリューションとして作られている。それに対してOracleの仮想化技術は、アプリケーションを高速に、信頼性が高く、簡単に展開・管理するために、完全なスタックの一部として作られている」と説明。その上で「Oracle VMはVMwareよりも4倍スケーラブル。VMwareはOracle VMよりも4倍高い」とコスト面で優位性があると主張している。
※クリックすると拡大画像が見られます