セキュリティに対するインテリジェンスを養う
サイバー攻撃への対策としては、こうしたITのトレンドにどう対応していくかを考えることが1つのヒントになる。
例えば、クラウドについては、サイバー攻撃者がボットネット化したコンピュータを使って国や地域を飛び越えて攻撃をしかけてくることに対し、クラウド環境を用いたリアルタイムのパッチ更新やレピュテーションによるアクセス防御などで対抗していく。
データ急増については、攻撃者がソーシャルメディアを駆使しながら大量のデータを送付してくることに対し、大量のデータを可視化するソリューションなどを利用しながら攻撃をわかりやすく把握できるようにしていく。
実際、セキュリティベンダー各社からは、そうした対策を講じるためのツールやソリューションが提供されるようになっている。また、近年では、サイバー攻撃に世界各国の官民で共同して対抗するために、「CYBEX(Cybersecurity information exchange framework)」と呼ばれるサイバー情報を交換するための標準フレームワークを構築する動きも進んでいる。CYBEXには「SCAP(Security Content Automation Protocol)」と呼ばれる脆弱性対策を自動処理するための仕組みづくりも進められており、将来的には、これらを利用した、標準化、自動化も可能になると期待されている。
山内氏は、そのうえで、こうした技術的な対策にも増して重要なのは、サイバー攻撃に対して、どのようなセキュリティ戦略をもって望むかだと指摘する。
「単なる知識ではなく、対策を打つための知恵、インテリジェンスを養うことが必要だ。どのような攻撃があり、それに対してどう防ぐことが効果的なのか。また、どういった人材を育成し、どのようなソリューションを選択すべきなのか。これは政府や国防・公共インフラ関連の企業だけでなく、あらゆる組織に共通するテーマだと考えている」(山内氏)
告知:朝日インタラクティブは2月22日に「ZDNet Japan セキュリティフォーラム 〜すぐに始めるサイバー攻撃対策〜」を開催します。