--企業による採用も増えていますね
MicrosoftがBing MapsでOpenStreetMapを採用し、MapQuestもOpenStreetMapバージョンを用意しています。また最近では、foursquare、Geocaching.com、Appleの「iPhoto」などの採用が相次ぎました。
foursquareはわれわれのデータを基盤とするmapbox.comのサービスを、Geocashing.comはMapQuestのopen.mapquest.comを利用しており、Appleは自社のマップサーバを設定しました。これは、OpenStreetMapのデータの柔軟性を示すものといえます。
また、われわれは「switch2osm.org」というサイトを立ち上げました。OpenStreetMapに切り替えるための情報を提供しています。
--コミュニティの力に頼ることにはデメリットもあります。現在課題と感じていることは何ですか?
課題は地図データに一貫性がないことです。コミュニティが活発な地域では情報がたくさん入った詳細な地図ができますが、手薄な地域もあります。都市部と郊外との差が大きいところがたくさんあります。
その対策はいくつかありますが、草の根的活動として、活発なコミュニティメンバーが旅行や出張に行った先で地図データに貢献するという方法があります。国によっては地図データがフリーで公開されているところがあり、その情報をインポートすることもあります。
コミュニティを活性化することが大切なので、世界各地でマッピングパーティーなどの活動を行っています。人々にOpenStreetMapを使ってもらい、簡単に貢献できるようにと改善しています。ユーザーが増えると貢献される情報が増え、さらに精度が上がり、新しいユーザーを呼ぶと期待しています。
将来はBritannica(ブリタニカ)やWikipediaと同じように、OpenStreetMapの地図がもっとも優れた地図になると見ています。