日立、SAP ERPの導入から運用までのグローバル対応を強化

田中好伸 (編集部)

2012-03-21 14:48

 日立製作所は3月21日、統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「SAP ERP」の導入から運用までのグローバル対応力を強化した「日立グローバルソリューション for SAP」を4月2日から提供すると発表した。グローバルソリューション for SAPは、「日立グローバルテンプレート for SAP HITRY/Global」「日立グローバルAMOサービス for SAP」「日立グローバルナレッジデータベース」で構成される。

 グローバルテンプレート for SAP HITRY/Globalは、SAP ERPの導入で海外企業を中心に標準となっている設定自動化ツール「SAP Best Practices」に、より実務に即した業務プロセスに対応する機能などを追加したもの。Best Practicesは、ユーザー企業でのSAP ERP導入を合理化するために事前設定済みのビジネスプロセスやプロジェクトアクセラレータからなる。Best Practicesを活用すれば、SAP ERP導入プロジェクトの総工数を平均32%削減できるといわれている。

 日立が提供するグローバルテンプレート for SAP HITRY/Globalでは、Best Practicesで標準で用意されているコンテンツに、業務プロセスを補完する「Point 5 Solutions」や業種別の「Industory Solutions」、各国での要件をまとめた「Country Requirement」を追加、対応可能な業務が大幅に増加しているという。工数削減が期待できるBest Practicesに、さらに機能を加えることで、工数削減をより期待できるという。

表

 グローバルAMOサービス for SAPは、業務システムの運用を専門の業者に外部委託するApplication Management Outsourcing(AMO)と呼ばれるサービス。日立が構築したSAP ERPに加えて、他社が構築した場合でも日立がSAP ERPを一括で運用する。たとえば各システム間のトラブルや委託元のマルチベンダー調整作業負荷など、海外拠点で多く見られるマルチベンダー運用保守による課題を低減できるという。

 グローバルナレッジデータベースは、日立グループ自身での基幹系システムのグローバル導入活動で培ってきた、さまざまなナレッジをデータベースとして体系的に整備したもの。SAP ERPの導入プロジェクトでグローバルナレッジデータベースを活用すれば、導入先の国や地域で法制度として求められている要件や実装方法などをドキュメントとして提示できるようになるとしている。

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