格安航空会社(LCC)のPeach Aviaitonは統合情報基盤として「Microsoft Exchange Server 2010」と「Microsoft SharePoint Server 2010」をクラウド上で稼働させている。日本マイクロソフトが4月16日に発表した。
Peachは関西国際空港(関空)を拠点に、日本初のLCCとして3月から関空-新千歳路線が就航している。同社は2011年2月にA&F Aviationとして設立、当初はスタッフ20人強は関空内の百貨店跡地に仮設したオフィスを拠点としていた。当時はコミュニケーション基盤として「Google Apps」を活用していた。
ビジネスプロセスやワークスタイルの設計とともにそれを支える情報共有などのIT環境も構築している。端末はノートPCに限定、「Windows 7」と「Microsoft Office Standard 2010」などOSやオフィスソフトのバージョンなどの基本的なルールを決めている。役職者は自己負担で購入、それ以外の従業員は会社から支給しているという。LANはすべてワイヤレス、音声電話はIP電話を活用、ファクスは導入せず、初めからペーパーレスなワークスタイルを構築している。
当初20人強という人員は100人、200人と急拡大している。パイロットやキャビンアテンダント(CA)、整備士など役割の異なるスタッフで構成されると同時に、そのうちの1割が外国人というグローバルな環境に変化している。柔軟に変化に対応できるというメリットから、ITの面ではクラウドの利用を決めている。
マイクロソフトのテクノロジを利用できるクラウドサービスを選択、Exchange ServerとSharePoint Serverをクラウド上で稼働させている。Peachでは「Outlook Web App(OWA)」を活用している。OWAはブラウザ経由でメールの送受信やスケジュールを利用できる。ノートPCのローカルHDDにメールを残さないという運用体制を取っている。
同社は統合基幹業務システム(ERP)としてSaaS型の「NetSuite Release J」を稼働させている。