GoogleとMicrosoftはどちらも、無料でブラウザを売り込んでいる。その理由はなんだろうか。それは、プラットフォームの利用を後押しする、本物のROI(投資回収率)が得られるからだ。
StatCounterによれば、Googleの「Chrome」はMicrosoftの「Internet Explorer」を抜いて、もっともよく使われているブラウザになったようだ。このブラウザ戦争に関する大きな疑問は、トップになることに、プラットフォームとしてどんな利点があるのかということだ。
StatCounterの統計は、同社のネットワーク内で閲覧された150億ページビュー分の標本に基づくものだ。StatCounterのブラウザ使用状況データは注目に値するものだが、わたしはこの統計を受け入れる前に、Chromeの勝利を示す他の指標が出てくるのを待ちたいと思っている。
しかし、このStatCounterのデータは、大きな視点から問題を捉えてみるいい機会だ。ブラウザ戦争は明らかに何らかの意味を持っている。GoogleとMicrosoftはどちらも自社のブラウザを売り込んでおり、どちらのソフトウェアも無料だ。
1年と少し前、Googleの役員がChromeを提供している理由を説明している。Googleの最高財務責任者(CFO)であるPatrick Pichette氏の当時の発言は注目に値する。
Chromeについては実際には2つの話がある。戦術的な問題と、戦略的な問題だ。Chromeはウェブを強力に後押ししており、素晴らしい体験を提供している。Chromeを導入した人は、Googleを探したり検索する場所を探したりしなくても、「Omnibox」からすぐにGoogle検索にアクセスできる。戦略的な観点から言えば、これは「Chrome OS」につながる。戦術的には、Chromeを使っているすべてのユーザーは、Googleへのアクセスを持っているという意味で、確実にロックインされたユーザーだと言える。
GoogleがChromeから得られるハロー効果は、次のようになるだろう。
- より多くの検索結果
- トラフィック獲得コスト(TAC)の低減化
- Googleの他のサービスをより簡単に統合する能力
- ブラウザに「Google+」を組み込み、統合する手段
- 高いGoogle Chromeユーザーの生涯価値