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売れてから作る、ものづくりの新展開--ダッソーのシャーレスCEO

怒賀新也 (編集部)

2012-05-31 09:00

 各界のエグゼクティブに価値創造のヒントを聞く連載「ZDNet Japan トップインタビュー」。今回は世界の製造業を支えるCADやPLMソフトウェア最大手の一角、フランスのDassault Systemesのベルナール・シャーレスCEO。

 「“スパイラル”という新たなものづくりの発想が製造業の在り方を変える」

 PLM(プロダクトライフサイクル管理)大手、フランスのDassault Systemes(ダッソー・システムズ)のBernard Charles(ベルナール・シャーレス)CEOはこう話す。日本で開催した自社のイベントで講演するため、5月下旬に来日した。

 その心は「売れてから作る」。これまでの常識では理解しにくい発想だ。日本の電機メーカーが大規模な赤字を計上する中で、1995年から社長を務めるシャーレス氏と、日本法人の代表取締役執行役員、鍛冶屋清二氏に今後の製造業の方向性について、意見を聞いた。

PLMによるものづくりについて、現在の状況をどう認識していますか。

 PLMは、従来のテクニカルツールという位置づけから、重要な業務プロセスであるという認識が強くなっています。また、幅広い業界でPLMが使われるようになってきました。輸送機器、航空、造船のみならず、消費財、パッケージ財、エネルギー、さらに金融業界まで裾野が広がってきています。

1988年にはR&D部門のプレジデントに抜擢。95年9月には社長に就任したシャーレスCEO
1988年にはR&D部門のプレジデントに抜擢。95年9月には社長に就任したシャーレスCEO

 勢いがついている市場であり、中長期的に見て今後も二桁以上の成長を見込んでいます。われわれは1999年にPLMを始めており、うまく使っている顧客とそうでもない顧客の違いが明確になってきていることに気づきました。

 日本について具体的に見ると、多くの企業が、3Dデザインやシミュレーション機能などPLMの部分的な採用にとどまっています。ほとんどの日本企業はいまだに、内製製品やニッチな製品でデータ管理をしているのが実情です。

 内製ソフトウェアの多くは個別に仕様を持つため、利用企業は次世代のプラットフォームに移行しにくくなります。それが、結果として変革ができない企業の増加につながっているのです。

 ただ、東芝や本田技研工業のように、製造、販売など世界でのビジネス展開を意識して次世代の技術をうまく使っている企業もあります。今後、日本においてPLMの導入は加速すると考えています。グローバル進出の機運が高まり、世界で統一した仕組みを利用する必要が出てきているからです。

PLMを使って成功している企業とそうでない企業の違いは何ですか。

 PLMはITではなくビジネスの視点で導入されるべきものです。PLM導入により、仕組みをカスタマイズする機会が減ります。新しいビジネス手法を取り入れる場合、カスタマイズが多いとその仕組み自体が障害になり得るのです。

日本法人の代表取締役執行役員、鍛冶屋清二氏
日本法人の代表取締役執行役員、鍛冶屋清二氏

 (鍛冶屋氏)10年前まで家電メーカーはキングでした。しかし、昨年あたりから、相次いで数千億という赤字を出すようになりました。5年くらい前まで、欧州の家電量販店で置かれたテレビのほとんどは日本メーカーのものでしたが、いまや見かけるのはLGやSamsungなどの製品です。LGはわれわれのユーザーでもありますが、韓国系企業は決してマーケティング施策で勝っているわけではありません。地元の嗜好(しこう)の先取りをし、製品に反映していることが要因です。

 (鍛冶屋氏)ブラジルやインドなどに日本企業が進出しようとすると、既に韓国企業が市場に浸透しているケースが目立ちます。地元の消費者の嗜好をつかみ、製品に反映させることが、今日本企業がグローバル化で取り組むべきポイントなのです。昔は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」であり、日本製のものが世界でそのまま売れていましたが、今は違います。これは自動車業界にもいえることです。

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