シマンテックは6月13日、日本の中小企業100社を対象にした災害対策の調査結果(PDF)を発表した。米Symantecが世界の中小規模企業約2000社を対象にした調査の中から日本企業100社のデータを抽出している。
調査によると、日本の中小企業は展開する事業所で起こり得ると認識している自然災害として93%が「地震」と回答している。回答した全社が過去12カ月で何らかの自然災害に遭遇している。地震や停電、システムの不具合などで平均で3回、4.5時間の機能停止を経験している(ここでの機能停止は15分以上のサーバやネットワークの停止を指す)。
だが回答企業のうち、防災準備を何らかの形で行っていると回答したのは31%(世界では46%)で、「災害復旧(DR)計画を策定している」「現在策定中」と回答したのは18%(世界は45%)という結果になっている。
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メインのコンピュータがダウンした際に別の場所にあるサイトでビジネス復旧に使用する“オフサイトフェールオーバー”計画を策定しているのは19%(世界では43%)としている。プライマリストレージを1年に1回以上バックアップしている企業は51%(世界では70%)。バックアップからのリストアに対する信頼性について「自信がある」「何らかの自信がある」と回答したのは43%(世界では63%)という結果だ。
日本の中小企業がDR計画を策定しない理由としては「必要性がない(63%)」「優先するものではない(28%)」「自社のコンピュータはビジネスクリティカルではない(26%)」「技術や人材の欠如(26%)」「コストが高い(21%)」となっている。
「防災準備の全般状況に影響する要因」としては、「経営陣の関心の低さ(25%)」が第1位となっており、続いて「適切なスキルを持つ人材の欠如(19%)」「ほかの技術問題による多忙さ(19%)」「予算上の問題(17%)」となっている。
その一方で、機能停止の際に派生する損失として、回答企業の51%が「機能停止からの回復にかかるITスタッフの労働コスト」、30%が「データ損失」「売上減少」、24%が「生産性低下」といった事象を挙げ、機能停止から深刻な損失が派生することを理解していることも明らかになっている。
調査では、中小企業でのサーバ仮想化、モバイル端末、プライベートクラウド、パブリッククラウドという4つのテクノロジの導入状況と、それらのテクノロジが防災準備に有効だと考える認識度を調べている。導入状況を見ると、日本の中小企業はいずれのテクノロジでも世界と比較して導入が低いことが分かっている。
防災準備への有効性では、いずれのテクノロジも実際の導入度合いと比較して、肯定的に認識する度合いが高いと説明している。“導入度合い:有効性認識度合い”で見ると、サーバ仮想化が14%:27%、モバイル端末が9%:27%、プライベートクラウドが11%:29%、パブリッククラウドが14%:22%という状況だ。
これら4つのテクノロジを実際に導入、導入途中と回答する企業が有効性を認識したテクノロジはサーバ仮想化が83%、モバイル端末20%、プライベートクラウド29%、パブリッククラウド26%となっている。
調査は、従業員249人以下の中小企業を対象とし、経営幹部や上級管理職、IT担当者が回答している。2~3月にネット調査で行われた。