グーグル、「Google Maps Coordinate」発表--モバイルで業務効率化に貢献

大河原克行 2012年07月10日 18時48分

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 Googleは7月10日、新たな地理空間情報ソリューションとして「Google Maps Coordinate」を発表した。

 Googleのマッピング技術とスマートフォンの機能を組み合わせることで、組織が位置情報を効率的に共有できるようにするサービスだ。

 Google Maps Coordinate担当シニアプロダクトマネージャーのDan Chu氏は、「現場で動く組織に対して、インターネット技術を活用することで、より効率的に業務を行うことができるようになる。米IDCの調査によると、2015年にはモバイルワーカーが13億人に達し、全体の37%を占めると予測されている。とくに日本ではモバイルワーカーの比率が64%に達すると予測しており、その点でもこのサービスを日本で発表することに意味がある」などとした。

新サービスを担当するDan Chu氏
新サービスを担当するDan Chu氏

 Google Maps Coordinateは、Googleの地図情報基盤をもとに設計。従業員などの位置を短時間に把握するとともに、タスクを作成して一番近くにいる従業員に業務を割り当て、瞬時に連絡するといったことが可能になる。停電が発生した場合など、電力会社のコールセンターのオペレーターがもっとも現場に近い従業員に調査を依頼できるといった応用例を示す。

 また、Coordinate向けのモバイルアプリケーションをカスタマイズすることで、モバイル端末を活用して現地での情報を収集し、端末に記録することができるほか、「意思決定に欠かせないデータが入手できる。チームの位置が可視化され、簡単に把握できることから、配置すべき人員や新規採用の必要性なども検証できる」とした。

 Google Maps Coordinateは、Google MapおよびGoogle Earth Enterpriseとの連携も可能としており、「既存のレガシーシステムと統合するためのAPIも用意している」という。

 また、「Google Maps Coordinateでは、GPSがカバーしていない部分でもWi-Fiや3G回線を利用して位置情報を確認できる機能を持つ。さらに、5秒ごとにアクセスしてAndroid端末で一日使い続けることができるかどうかといったことも検証している」などとした。

Tarun Bhatnagar氏
Tarun Bhatnagar氏

 一方、米Googleのグローバル GEO セールス統括責任者のTarun Bhatnagar氏は、企業向け地理空間情報ソリューションとして、「Google Maps API for Business」「Google Maps Engine」「Google Maps Pro」「Google Earth Enterprise」の4つのサービスを提供していることについて説明した。

 「現在グーグルのサービスのうち、20%がロケーション情報を含んだものになっている。また、ビジネスの80%において、位置情報が必要とされている。地理空間ソリューションでは、エンタープライズ分野において、すでに2万5000もの顧客があり、80万以上のウェブサイトでGoogle Maps EngineのAPIを活用したアプリケーションが開発されている。企業向け地理空間情報ソリューション分野では、昨年に比べて売上高が倍増している」としたほか、「企業だけに留まらず、政府などの活用も広がっている。Googleが提供する企業向け地理空間情報サービスは、日常、コンシューマー用途で利用している地図サービスをビジネス分野でも活用できるものであり、企業は信頼性の高い地図情報をユーザーに提供できる。日本は重要な市場であると認識しており、ここにリソース、時間、エネルギーを投入していく」などとした。

 Google Maps API for Businessは、企業のウェブサイトのなかでGoogle Mapsを活用するサービスで、「もっとも利用されているサービス」と位置づける。また、Google Maps Engineはコンテキスト付きのデータをクラウド環境で提供するサービス、Google Maps Proは分析機能や動画データなどを提供するサービス、Google Earth Enterpriseはオフラインで利用したいユーザーに対して提供するサービスとして紹介した。

 「日本全国すべてをカバーするなど包括的な地図データであること、データが正確であること、毎日更新するなど最新の情報を提供していることが特徴。これを利用することで、結果として企業の信頼性を高めることができる」としたほか、「99.9%のSLAを実現しており、ほぼ100%近い稼働率を維持し続けている」とした。

Dylan Lorimer氏
Dylan Lorimer氏

 また、GoogleのGoogle Earth担当プロダクトマネージャーのDylan Lorimer氏は、「企業や政府、研究機関が自らのデータをマップ上に展開するには多くの投資が必要であり、さらにこれを活用するためのトレーニングも必要であった。しかし、Google Maps Engineを通じて、165テラバイトもの地図情報をクラウドから活用できるようになり、加えてモバイル環境でも使えるようになった。セキュリティの面でも優れたものとなっている」などと語った。

 なお、同社は7月10日、東京・芝公園のザ・プリンスパークタワー東京において「Google Atmosphere on Tour 東京」を開催しており、Google Enterpriseが提供する企業向けサービスの最新情報などを紹介した。

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