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「戦闘」から「戦争」へ

三国大洋

2012-06-29 10:00

 前回、「再び主戦場に降り立つマイクロソフト」というタイトルで、マイクロソフトのタブレット端末「Surface」が登場した背景を説明した。

 今回もSurfaceを取り上げたブログなどから、面白い見方をしているものを紹介していきたい。

 折しも米国時間6月27日にはグーグルが(ほぼ予想通り)自社ブランドのタブレット「Nexus 7」を発表した。また、かなり断片的な情報しか出ていなかった「Nexus Q」が披露されたことで、世間の注目はすでにそちらに移っている感もある。

 ただし、前回の最後に書いた「三国志」的な戦いというのは、つまりこういうことなのだ。単に個々の分野・領域での「バトル(戦闘)」ではなく、アップル、グーグル、マイクロソフトという巨人が、総力を挙げて同時多発的に複数の線戦で交戦する「ウォー(戦争)」の様相を呈している。

 この模様を俯瞰するためには、もう少しマイクロソフトの置かれた状況を先に見ておく必要があるだろう。また、グーグルによるハードウェア市場本格参入については、まだ製品やサービスを伝えるストレートニュースがほとんどで、分析記事はこれからという段階。よって、もう少し状況が落ち着いてから、改めて検討したいと考えている。

謎の発表会は急きょ開催が決まった?

 さて。

 Darling Fireballなるブログを続けるジョン・グルーバー(John Gruber)氏といえば、英語圏のアップルコミュニティでは一目置かれるベテランのブロガーである。そのグルーバー氏がSurface発表会のビデオを観て、次のような感想を書いていた(註1)。

「マイクロソフトのSurface発表会のビデオを観ていて、私が感じ取ったのは「不安」だ。パニックではないにしても、居心地の悪さ("discomfort")といったものであった。(略)18日の発表会は急いで準備され、ひどくリハーサルの足りないものと私には思えた。スティーブ・バルマーCEOの話は、平凡なお決まりの話ばかりで、一番肝心な「何故?」という疑問に対する答えはなかった。スティーブン・シノフスキー氏(Windows責任者)はナーバスになっていて、口調はせわしないものだった。(略)「Surfaceは椅子に座って、リラックスした姿勢で、映画を観たりするのに最適です」といいながら、彼はほんの3秒くらい椅子に腰掛けただけで、さっさと次の話題に進んでしまった。
(略)
Surfaceの発表は、アップルのイベントに比べるとはるかにリハーサルが足りず、プレゼンテーションの中味もはるかにまとまりのないものと、私にはそう思えた(ただし、Surfaceのデザインを担当したパノス・パナイ氏のプレゼンは例外で、ステージ上でどっしりと構えた彼のプレゼンは特筆に値する)

 無論、ここでアップルとマイクロソフトのプレゼンの中味を比べてどうこう言うつもりなどない(註2)。グルーバー氏のこの細かな観察を紹介したのは、マイクロソフトの「謎の発表会」が、グルーバー氏の考えるとおり、本当に急きょ開催が決まったのではないか、という可能性の傍証を示すためである。(次ページ「4日前の告知にベテランジャーナリストも慌てる」)

註1:ジョン・グルーバーの感想

Watching the Microsoft Surface event video, I sensed uneasiness. Not panic, but discomfort. Some will argue that I'm simply spoiled by Apple's on-stage polish, but Monday's Microsoft event struck me as rushed and severely under-rehearsed. Ballmer offered nothing but blustering bromides, and nothing even vaguely resembling a coherent answer to the big question: Why? Steven Sinofsky was nervous and hurried. It didn't help that his first Surface RT unit crashed before he'd done anything other than wake it up. There was a moment where he said Surface was perfect for sitting down, relaxing in a chair, and watching a movie. He sat in that chair for about three seconds before rushing into the next segment.

I found the presenters far less rehearsed and the presentation far less cohesive than an Apple event. (With the notable exception of designer Panos Panay, who was very solid on stage.)

Surface: Between a Rock and a Hardware Place


註2:Surface発表会でのプレゼン

シノフスキー氏のナーバスな様子や、パノイ氏の堂々としたプレゼンについては、Businessweek誌のアシュリー・バンス(Ashlee Vance)も同様の指摘をしている。

Steven Sinofsky, president of Microsoft's Windows division, did much of the oohing and ahhing over the Surface devices, which will be sold by Microsoft at its retail and online stores. Perhaps sensing the importance of the moment, Sinofsky's voice shook and his hands trembled at times to the point that he could not finish demonstrating the tablets' functions.

It was Panos Panay, general manager of Microsoft's Surface products, who really did the Steve Jobs impression. He went on and on about the engineering marvels—200 custom parts, no less—that it took to make the Surface. When it goes up, the kickstand makes a sound as crisp as the way a luxury car door closes, he said. "And when you need it, it's there."

Why Microsoft's Surface Tablet Shames the PC Industry

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