ネットワールドは7月12日、オランダのLogin Consultantsと販売代理店契約を締結したことを発表した。ベンチマークツール「Login VSI」を日本国内で提供する。
現在、クライアント端末をサーバ上で稼働させる仮想デスクトップ環境(VDI)やサーバベースコンピューティング(SBC)が使えるものとして普及しつつある。だが、エンドユーザーの体感性能などを中心にユーザーエクスペリエンスを最適化して導入できるかが課題になっている。つまりは、導入前におおよそのエンドユーザー数から見積もってシステムを導入しても、稼働後にはエンドユーザーからは「反応が遅すぎて仕事にならない」といったことも実際に起きている。
これ以外にもVDIやSBCでは、既存システムで快適さを維持しながらどれだけエンドユーザーの数を増やせるのか、異なるハイパーバイザやアプリケーション仮想化ソフトウェア、ハードウェアを活用する際に、ユーザーエクスペリエンスがどの程度変わるのかなど、パフォーマンスやスケーラビリティ、キャパシティを正確に解析、評価できないことが選定や導入のボトルネックになっている。
Login VSIは、VDIやSBCのアセスメントや概念実証(Proof of Concept:PoC)を行う際に開発したツールだ。Login VSIを搭載したWindowsサーバから、Login VSIのモジュールソフトをインストールした測定対象のVDIやSBCのサーバに対して負荷(ワークロード)をかけて、反応速度などを解析、評価する。
ワークロードは、オフィスで典型的に活用されている10種類以上のアプリケーションを動作させる。動作パターンにはライトユーザー、ミディアムユーザー、ヘビーユーザーなど7種類のテンプレートが用意されており、エンドユーザーの実態に近いワークロードを発生させられる。
有償版の「Login VSI Pro」と試用のための無償版「Login VSI Express」が用意されている。有償版は今秋から販売を開始する予定になっている。
Login VSI Proは、使用可能期間とユーザーワークロード数でライセンス価格が異なる。期間は6カ月、12カ月、24カ月の3種類。ユーザーワークロード数は500から。最少ライセンスとなる6カ月の使用期間、500ユーザーワークロードで税別価格は98万円となっている。Login VSI Expressは30日間限定で、50ユーザーワークロードまで利用できる。8月からネットワールドのウェブサイトで申し込みを受け付ける。
Login VSIは2009年から有償版が提供されており、主要なハードウェアベンダー、MicrosoftやCitrixなどのソフトウェアベンダーが利用しており、VDIやSBCに対する業界標準的なベンチマークツールになっているといわれている。ネットワールドは、中大規模のVDIやSBCの導入、運用に有効なコンサルティングツールとして日本国内のハードウェアとソフトウェアのベンダー、システムインテグレーターなどにLogin VSIを提供していく方針を打ち出している。

