徳島大学が、セキュリティ対策強化を目的としてシマンテックのウイルス対策製品「Symantec Endpoint Protection」を導入した。シマンテックが8月8日に発表した。学生個人のPCまで保護する包括ライセンス「アカデミックサブスクリプションプログラム」を活用している点が特長。
対象ユーザーは、約2500人の教職員と、約7800人の学生。教育機関向けのアカデミックサブスクリプションプログラムのオプション「スチューデントユース」を利用すると、学生が所有するコンピュータ、あるいは学生個人が使用する学校所有のコンピュータについて、特定の計算に基づいた学生分のコピー数を利用することができる。
徳島大学では、各部門が個別に情報システムを調達、運用しており、セキュリティレベルの統一が困難であるという課題があった。この状況に対処するため、2010年7月に学内で情報システムを研究していた機関を改組、同大の情報ガバナンスと情報セキュリティの維持運用を担うサービス部局「情報化推進センター」を設立していた。
情報化推進センターでは、まず情報システムおよびネットワークの管理体制を再設計。あわせて情報セキュリティの標準規格である情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の取得を目指した。また、施策の一環として、全職員と学生を対象に、標的型攻撃や未知の脅威を防ぐ手段としてエンドポイント保護ソリューションの導入を検討していた。
シマンテック以外に2社の製品を比較・検討した結果、Windowsだけでなく、Mac OSやLinuxにも対応できるという点、未知の攻撃に対する防御テクノロジ「シマンテックインサイト」を有する点などが評価され、Symantec Endpoint Protection 12を導入することになった。
徳島大学 情報化推進センター教授・センター長の上田哲史氏は、「学内サーバや教職員のパソコンだけでなく、全学生が個人で所有するパソコンも一括して保護・管理できるという『アカデミックサブスクリプション』に魅力を感じました。学生個人が使うパソコンのセキュリティ対策まで学校が面倒をみる点については議論を重ねましたが、大学が扱っている情報の機密性を考慮すると、セキュリティ対策の指導にとどまらず、学生が安心してパソコンを使える環境を整備するのも大学の使命であるとの結論に至りました」とコメント。導入後は「シマンテック製品は処理が高速ということもあり、学生からも不満の声はなく、満足しています」としている。
徳島大学では今後、スマートフォンやタブレットといったスマートデバイスの利用が増加することを踏まえ、モバイルデバイスの保護強化も検討していくという。
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