オープンソースソフトウェア(OSS)の活用に強みを持つアシストが、OSSの勤怠管理システム「MosP V4」を導入する。約830人の全社員を対象にしたシステムで、9月に本稼働を開始する。MosPの開発を主導するマインドとアシストが8月21日に発表した。
アシストでは、勤怠手続のペーパーレス化、各種申請のワークフロー化、勤怠情報の正確なデータ把握と現場への迅速なデータ提供などの課題を抱えていたが、マインドがカスタマイズして対応。さらに、MosP勤怠管理 V4をベースに、LDAPによるID連携、「スケジュール管理/営業支援システム」とのデータ連係、申請ワークフローの自動化といった機能を実現した。
また、アシストではカスタマイズ機能の大半の著作権をマインドに譲渡している。アシストで人事総務部長を務める石川智子氏は著作権の譲渡について、「オープンソースの公開により、導入企業が増え、MosPの標準機能がより拡充することによって、弊社にとってもメリットが享受できると期待しています」とコメントしている。
830人がほぼ同時にアクセスする勤怠管理システムということもあり、システム開発にあたっては、アシストが自社で提供する「PostgreSQL 技術支援サービス」を用いて同時アクセスに対応するためのチューニングも行っている。
マインドが開発を主導するMosPは、オープンソースの人事給与・勤怠管理システム。2009年11月にはバージョン3.2.0がNTTファネットシステムズで採用されていた。MosP勤怠管理 V4は2011年9月に公開されている。
アシストはOSSのサポートサービスを提供するだけでなく、自社での活用にも力を入れている。7月末には従業員用PC約950台のOSを「Ubuntu」に移行させた。2007年2月にはMicrosoft OfficeからOpenOffice.orgに全面移行、OSSのオフィスソフトを社内標準としていた。