VMwareは8月27日(米国時間)、米サンフランシスコで開催中の年次カンファレンス「VMworld 2012」の基調講演で、クラウド基盤の統合製品「vCloud Suite 5.1」を発表した。バージョン5.1だが、既存製品を包含した新たな統合製品。米国では9月11日より提供を始める。
vCloud Suite 5.1は「vSphere Enterprise Plus」「vCloud Director」「vCloud Connector」「vCloud Networking and Security」「vFabric Application Director」「vCenter Operations Management Suite」「vCenter Site Recovery Manager」で構成される製品で、「スタンダード」「アドバンスト」「エンタープライズ」の3つのエディションで提供される。
VMwareの次期最高経営責任者(CEO)であるPat Gelsinger氏は、VMworld 2012の基調講演で「vCloud Suiteに匹敵する製品は、ほかにない」と強調。「クラウド時代に合致した管理機能を持つ製品。ソフトウェアがソフトウェアを自動化する」と述べている。
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この製品は、VMwareが提唱する「Software-Defined Datacenter」(ソフトウェアで定義されたデータセンター)というコンセプトを実現する製品となる。従来のデータセンターはサーバこそvSphereで仮想化されていたが、ストレージとネットワークは未熟な部分が残っていた。つまり、クラウド環境の相互移行性を考慮すると、ユーザーはクラウド環境を移行させる場合、ネットワークやストレージの構成をマニュアルで操作する余地が大部分を占めていた。この未熟な部分を進化させる試みが「ソフトウェアで定義されたデータセンター」となる。
この新たなコンセプトに則ると、ユーザーはまず「VXLAN」や買収したNiciraの技術を活用してネットワークを仮想化できる。ソフトウェアによってネットワークの構成を迅速に変更できるわけだ。ストレージについては、従来はどのストレージにどれだけの仮想ハードディスクイメージ(VMDK)を作るか指定する必要があった。しかし、ソフトウェアで定義されたデータセンターでは、特定のSLAに沿って一定の量のストレージを自動的に確保することが可能になる。
VMwareでは、サーバだけでなく、ネットワークとストレージも抽象化することで自動化を進め、より効率的にデータセンターを運用管理できるようにしていこうとしている。
「ソフトウェアで定義されたデータセンター」はあくまでもコンセプトだが、これを実装する最初の製品がvCloud Suiteといえよう。特に大規模環境では、構成する各製品が事前検証済みであるため、導入の敷居がより下がるというメリットがある。
課金はソケット(CPU)単位。価格は1プロセッサあたり4995ドルから。
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