SCSK、SaaS型の開発環境を提供--AWS上でプロジェクト管理「Redmine」を稼働

田中好伸 (編集部)

2012-09-12 17:26

 SCSKは9月12日、SaaS型の開発環境「PrimeCloud for Developers」の提供開始を発表した。初期費用はかからず、月額費用は30ユーザーまでで9万円となっている。

 PrimeCloud for Developersは、IaaS/PaaS「Amazon Web Services(AWS)」の上でオープンソースソフトウェア(OSS)のプロジェクト管理ソフト「Redmine」を稼働させている。チケットでのタスク管理、進捗管理、ファイル共有などプロジェクトの情報を一元管理できる環境をネット経由で提供する。

 チケットでのタスク管理で、進捗状況や予実管理をガントチャートで表示することで、プロジェクトを効率的に運営できると説明。各メンバーがウェブで入力した情報は、ガントチャートや一覧表示でリアルタイムに把握できる。複数拠点で同一環境にアクセスできることで、離れた開発拠点や複数のベンダーが参画するプロジェクトでも、一元的に管理できる。

 Redmineの導入からインフラ管理、運用、サポートまでをSCSKがトータルに提供する。セキュリティ確保として、同社と電通国際情報サービス(ISID)、野村総合研究所(NRI)の3社が共同で作成した“セキュリティリファレンス”を活用して、AWSをはじめとするサービス全体のセキュリティ状況を評価している。AWSが提供するセキュリティ機能に加え、ユーザー単位の接続制限やセキュリティソフト導入を展開して、セキュリティレベルの向上を図っている。

 今回のPrimeCloud for Developersは、プロジェクト管理とは別に、ハイブリッドクラウド開発環境もサービスとして提供される。SCSKのクラウド管理ツール「PrimeCloud Controller」を通して必要なサーバリソースを調達できる。GUI操作で、サーバのスペックやOS、ミドルウェアを自由に組み合わせた環境を選択できる。監視も含めて約20分で開発環境を構築できるという。

 ハイブリッドクラウド開発環境では、VPN接続が標準で提供される。初期費用が30万円から、月額費用6万5000円からとなっている。Redmineによるプロジェクト管理機能も提供される。設定や運用はユーザー企業が自ら行う。

 今回のPrimeCloud for Developersは、先行してMS&ADシステムズが利用している。MS&ADシステムズは現在、三井住友海上火災損害保険とあいおいニッセイ同和損害保険の氏システム統合プロジェクトを進めている。社内外の投入要員増加や個別プロジェクトの管理複雑化に対応するために、PrimeCloud for Developersを採用している。今回のサービスは最大5000人まで対応できるが、AWS上でRedmineを稼働させる事例としては、大規模と説明している。

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