Oracle OpenWorld 2012

Oracle OpenWorld 2012:Oracle Database 12cは“DBによるDBのための仮想化”

冨田秀継 (編集部) 2012年10月02日 09時36分

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マルチテナントデータベース「Oracle Database 12c」
マルチテナントデータベース「Oracle Database 12c」

 米Oracleは、9月30日から10月4日の日程で開催している年次カンファレンス「Oracle OpenWorld 2012」で、データベースの新製品「Oracle Database 12c」を発表した。

 米国時間9月30日には同社 最高経営責任者(CEO)のLarry Ellison氏が基調講演に登壇。Oracle Cloudの新サービスであるIaaSとOracle Private Cloud、Oracle Database 12c、そして「Exadata X3」を発表していた。

 Ellison氏は、「Oracle Database 12cの開発には4年以上を費やした。12cの“c”はクラウドを意味している」とコメント。「(史上)初のマルチテナンシー型データベースだ」と聴衆にアピールした。

 従来、Ellison氏はマルチテナントに批判的だったという。「マルチテナント自体はいいのだが、それをアプリケーションレイヤーに展開するのは間違いだと考えていた」と述べた上で、「しかし、90年代後半は他に選択肢がなかったのだ」と語った。この発言の背景には、90年代後半のSaaSプロバイダーの誕生がある。1998年にはNetSuiteが、1999年にはSalesforce.comが創業。オンプレミスでアプリケーションを実行するのではなく、ネットワークサービスとして提供するベンダーが誕生した当時について、Ellison氏は「新しい時代の始まりだった」と振り返った。

 単一システムで複数ユーザーにサービスを提供するマルチテナント型サービスは、昨年開催されたOracle OpenWorld 2011でもEllison氏に批判されていた。曰く、Salesforce.comのようなサービスは「15年前はいい発想」だが、「みんなのデータを同じデータベースに置いてしまえ」という形態だとし、セキュリティ上の懸念を指摘していた。

 今回、そのマルチテナンシーをデータベースの世界に持ち込んだのがOracle Database 12cだ。12cでは新たなアーキテクチャを採用しており、一つのコンテナに複数のデータベースを格納できるようにした。

従来のデータベースのアーキテクチャ 従来のアーキテクチャ
※クリックで拡大画像を表示
12cのアーキテクチャ 12cのアーキテクチャ
※クリックで拡大画像を表示

 従来のアーキテクチャでは、メモリやプロセス、データベースなどを個別に用意する必要があった。Oracle Database 12cでは、メモリとプロセスが単一のコンテナ型データベースに対応。コンテナの中には複数のデータベースを格納できる仕組みだ。同社は、コンテナに収容するデータベースを「Pluggable Database(プラガブルデータベース)」と呼称。簡単に抜き差しできることから、管理や拡張が容易である点を強調した名称といえそうだ。

 Oracle Database 12cは、いわば「データベースの仮想化」とも言えるため、ユーザーはDB用のサーバを削減できるというメリットを享受できる。また、管理性も向上するだろう。データベースの増加によって管理が複雑になった環境では、個々のDBをコンテナに収容(=統合)してしまえば、コンテナを管理するだけで済むからだ。加えて、バックアップはコンテナ丸ごとを対象としながらも、コンテナにある特定のプラガブルデータベースだけをリカバリすることもできるという。

 Oracle Database 12cの詳細は、翌10月1日の基調講演で、同社Senior Vice President, Database Server TechnologiesのAndrew Mendelsohn氏が解説している。こちらのレポートも追って掲載する。

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