SAPジャパンは10月22日、インメモリデータベース(DB)ソフトウェア「SAP HANA」をクラウドで使える「SAP HANA Cloud」の計画を発表した。その一部として「SAP NetWeaver Cloud」と「SAP HANA One」の提供を同日から開始した。
SAPが提供するHANA Cloudは大きく分けて、HANAの上でアプリケーションを稼働させる「SAP HANA AppServices in SAP HANA Cloud」とHANAをDBとして使う「SAP HANA DBServices in SAP HANA Cloud」で構成される。前者のAppServicesのメニューとしてNetWeaver Cloud、後者のDBServicesは、“Database as Service(DaaS)”の提供を目的にしており、そのメニューとしてHANA Oneが提供される。
HANA Oneは、HANAをIaaS/PaaS「Amazon Web Services(AWS)」上で稼働できるというもの。AWS Marketplaceから提供される。本番業務として運用できるという。1インスタンスあたり60Gバイトのメモリが提供される。
HANA Oneは、従来アプライアンスとして提供されていたHANAと全く同じ機能を活用できる。規模の大小を問わず、すべての企業がビジネスクリティカルなアプリケーションや消費者接点のアプリケーションをHANA上で構築して、HANAがサポートする、インメモリでのトランザクションと分析関連のデータ処理を活用できるようになる。利用料金は1時間あたり99セントとなっている。このほかにAWSのサービス利用料金が必要だ。
AppServicesは、開発者がネイティブのHANAやJava、開発期間を短縮するためのそのほかのサービスを提供して、次世代のアプリケーションを開発することを支援するサービス。ポータルや統合、モバイル、分析、コラボレーション、商用で提供するための包括的なサポートなどの機能の提供が計画されている。
AppServicesのひとつであるPaaSのNetWeaver Cloudは、HANA Cloudの初のアプリケーションサービスとして、Javaベースのソフトウェアを構築できるというもの。オンプレミスとそのほかのクラウドアプリケーションを統合でき、セキュリティが確保された状態でJavaベースのアプリケーションを展開できると説明している。無料、無制限のライセンスが開発者向けに提供される。