NECは11月8日と9日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムでプライベートイベント「C&Cユーザフォーラム&iEXPO2012」を開催した。
C&Cユーザフォーラムでは、NECの遠藤信博社長による基調講演をはじめ、2つのスペシャルセッション、7つの特別講演、16のNUA(NEC C&Cシステムユーザー会)による成果発表、17のユーザー事例紹介、61のセミナーを実施。併催したiEXPO2012の展示会場では、約150のテーマで最新技術や製品を展示した。
毎年恒例となっているこのイベントは、開催前日に報道関係者に内容が公開されることも慣例となっている。これまでの取材では、開催直前ということもあり、準備段階ですべてが揃っていない会場を縫うように進むことが多く、写真によるレポートがしにくかったのが正直なところだった。
それが今年は、開催前日の時点ですべての展示が整っており、内覧を行った報道関係者に対しても、各ブースの担当者も展示会当日さながらの説明をしていた。その点でも、NECがこのイベントにかける意気込みが例年以上に高まっていることを感じるものとなった。
展示会場では、ビッグデータソリューションや中小企業向けソリューション、製造業向けソリューションなどのほか、C&C Cloudを支えるSDN(Software Defined Network)の取り組みを紹介。さらに、スマートシティ、テジタルサイネージ、スマートエネルギーも展示する一方、海底ケーブルシステムや宇宙関連事業への取り組みなども紹介していた。文字通り、宇宙から海底までのソリューションを展示していたといえよう。
また、最近のNECの展示会では災害対策の各種製品を積極的に紹介しているのが特徴だが、今回のイベントでも被災地域で人が入っていけない場所で状況を確認する「手投げ式偵察ロボット」や、上空から現場の状況を確認するマルチローターヘリの「ミニサーベイヤー6」などを展示。さらには、必要な場所で移動できるけん引式電源車なども展示してみせた。
NECが今回のイベントで強く訴求したのが、昨年に続いて重要なテーマとなったビッグデータソリューション。そして、もうひとつがSDNによる新たなネットワーク環境におけるNECの優位性だったといえよう。
ビッグデータソリューションでは、遠藤社長の基調講演でも「大量データ・情報の収集」「データ・情報分析」「価値創造」という3つの観点から訴求。展示会場でもこれらの切り口から数多くのソリューションを展示していたのが特徴的だ。
とくに「データ・情報分析」においては、NECが持つ「世界トップレベル」(遠藤社長)の独自の分析エンジンを活用し、インバリアント分析、異種混合学習、顔画像解析、行動分析、テキスト含意認識などの分析サービスを提供していることを示しながら、「高度な分析技術によって導き出される価値こそが、ビッグデータの本質である」(遠藤社長)とする。
遠藤社長は基調講演のなかで「Explicit(形式知)」と「Implicit(暗黙知)」という言葉を使った。