そんなGoogleがいよいよエンタープライズ事業に本腰を入れ始めた。すでにさまざまなサービスはあるが、まだまだ全貌は見えていない。Feigenbaum氏が推進するセキュリティ分野も含めて、大いに注目しておきたい。
「ビッグデータ事業におけるNECの強みは、独自技術をベースに開発した世界トップレベルの分析エンジン群にある」(NEC 保坂岳深 執行役員)
NECが11月7日、ビッグデータ事業の強化として、独自の先進技術を用いた分析クラウドサービス3種を発表した。執行役員としてプラットフォーム事業を担当する保坂岳深氏の発言は、その発表会見で、同事業におけるNECの強みを強調したものである。
NECのプラットフォーム事業担当執行役員の保坂岳深氏
同社が発表した分析クラウドサービスは、「顔認証技術活用マーケティングサービス」「不審者監視セキュリティサービス」「テレマティクスサービス」の3種。
顔認証技術活用マーケティングサービスは、画像から自動的に人の顔を検出し、高精度に同一人物を特定するもので、店舗などに設置したカメラに映った人物の年齢・性別を推定し、来店日時と合わせて継続的に蓄積することで来店客の傾向を分析できるものだ。
不審者監視セキュリティサービスは、顔認証技術を活用し、カメラ映像からリアルタイムに人物検出して自動的に特徴をデータベースに登録することで不審者を検索するものだ。
テレマティクスサービスは、同社独自の行動分析エンジンを活用したオートモーティブサービスで、蓄積されたプローブデータ(自動車に組み込まれたセンサーが収集するデータ)からユーザーごとの行動パターンを分析。時刻・ユーザーの位置などを組み合わせて、ユーザーの行動を予測するものである。
これらのサービスを支える分析エンジン群として、保坂氏が「ビッグデータ事業におけるNECの強み」として紹介したのが、大量データの相関関係やイレギュラーな動きを発見する「インバリアント分析」、大量データ中の全く異なるパターンや規則を自動で発見することにより高精度な予測や異常検知に有効な「異種混合学習」、画像の中から自動的に顔を検出して高精度に同一人物を特定できる「顔画像解析」、人やモノの位置・時刻・移動履歴などを分析して行動パターンを自動抽出し予測する「行動分析」、2つの文が同じ意味を含むかどうかを判定する「テキスト含意認識」の5つである。
同氏によると、インバリアント分析と異種混合学習は世界初、顔画像解析とテキスト含意認識は米国国立標準技術研究所主催のコンテストで世界トップの評価を得た技術だという。
NECは今年2月に全社横断の「ビッグデータ戦略プロジェクト」を立ち上げ、技術・製品の開発、顧客との実証実験、提案活動を積極的に進めてきたが、今後さらに顧客の業務に精通し分析スキルに長けた専門要員を大幅に拡充していく計画だ。ビッグデータ関連分野は今後、ICT市場でも最も激戦区になるとみられるが、世界トップレベルの分析エンジン群によって同社がどれだけの優位性を発揮できるか、注目していきたい。
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