特定市場向けのクラウドサービスやクラウドベンダーには、他社と差別化しようとする需要があることから、廉価でないハードウェアに支えられたサービスが出てくると、同社は考えている。
Forresterは、この流れはすでに表れてきており、ハイエンドGPUやSSDを使ったサービスが出てきていると述べている。
Amazon Web Servicesは苦戦する
Forresterによれば、2013年、Amazon Web Servicesは現在優位(70%の市場シェア)を占めているクラウドプラットフォーム市場で、激しい競争に直面する。
同社は、MicrosoftとGoogleが「それぞれのプラットフォームを大きく改善して」挑戦してくると予想している。Forresterはまた、2013年の終わりまでには、「少なくとも3つのしっかりした『OpenStack』ベースのクラウドが、強い力を持つようになる」と考えている。
企業はすべてをクラウド化しなくてもよいことを認める
2013年は、すべてがクラウド化されるという考え方がなくなる年だと、Forresterは予想している。
ITを調達する側は、クラウドプラットフォームの強みと弱み、そして従来の仮想インフラやホスティング環境との違いを徐々に理解するだろう。Forresterは、企業はそれらの異なるプラットフォームを扱った経験がある社内開発者を雇い、どの環境でどの処理を行うかを決定する助けとすべきだとしている。
クラウドとモバイルが1つになる
2013年中には、モバイルアプリケーションとクラウドベースのサービスとの結びつきが大きくなるだろう。
Forresterは、モバイルアプリケーションでクラウドベースのバックエンドサービスに接続するというすでによくあるやり方が、今後さらに増えると予想している。このやり方は、モバイル利用者からの要望に柔軟に対応できるほか、トラフィックを企業のデータセンターに集めることによる負荷とセキュリティリスクを軽減できる利点もあるという。
ForresterのアナリストGlenn O'Donnell氏は、「クラウドプラスモバイルは、1+1が2以上のものになる典型的な例だ」と言っている。
企業は仮想化がクラウドを意味するわけではないと認める
Forresterは、2013年には企業のインフラや運用を担当する部門は、仮想化環境をプライベートクラウドだと偽るのをやめる必要があるという。
同社によれば、仮想化環境は通常はプライベートクラウドではなく、開発者に対するセルフサービスも提供しなければ、完全に自動化されたプロビジョニングや、標準化されたサービス、費用の透明性を提供するものもほとんどない。仮想化環境はむしろ大抵の場合、ワークロードの統合や、高い運用効率、早い復旧などを主眼とするものだ。
2013年には、インフラや運用を担当する部門は、そのどちらも、それぞれデータセンターで別の使い道があることを認め、一方をもう一方だとして売り込むのはやめるべきだとForresterは述べている。
開発者が、クラウドでも開発はそれほど変わらないと気づく
Forresterによるクラウド開発者への調査によれば、エンタープライス環境で使われている大半の言語、フレームワーク、開発手法は、クラウドでも使われている。
十分に訓練を受けた開発者が、クラウドでは生産性が出ないという言い訳になる事実はあまりない、と同社は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。