キヤノンS&Sが、なでしこ・鮫島彩選手を起用した理由とは?

大河原克行

2012-12-19 09:00


なでしこジャパンの鮫島彩選手とキヤノンS&Sの芦澤光二社長
なでしこジャパンの鮫島彩選手とキヤノンS&Sの芦澤光二社長

 キヤノンシステムアンドサポートは、同社初のコミュニケーションパートナーとして、なでしこジャパンの鮫島彩選手を起用する。それにあわせて12月19日午前9時、同社サイトを大幅リニューアルし、鮫島選手のスペシャルサイトを新たに立ち上げた。

 同社がコミュニケーションパートナーを起用するのは初めてのこととなる。

 同社では「鮫島選手は、正確性とスピードを持ち味とし、数々の攻撃シーンの起点となる、最も注目されている女子サッカー選手。チームのあらゆるプレイをアシストするそのスタイルは、フィールドは違えども、あらゆる企業活動をアシストおよびサポートするキヤノンシステムアンドサポートの企業ブランドを体現するのにぴったりな人物」と、鮫島選手起用の理由を語る。

 鮫島選手は2013年からなでしこリーグに昇格するベガルタ仙台レディースに所属。2011年のFIFA女子ワールドカップ、2012年のロンドンオリンピックでは、なでしこジャパンのメンバーとして、ミッドフィールダー、ディフェンダー(サイドバック)として活躍。国際Aマッチには通算52試合に出場し、2得点をあげている。

 今回のコミュニケーションパートナーの起用にあわせて、鮫島選手スペシャルサイトを開設。ここでは「情熱ミーティング」と題した対談コーナーを用意し、その第1回目として鮫島選手と芦澤光二社長が対談。サッカーとビジネスにおける、それぞれの視点での考え方や、取り組む姿勢などに関して意見を交換している。また、鮫島選手とキヤノンシステムアンドサポートの社員による約2分間の「スペシャルムービー」、さらには鮫島選手のオリジナル壁紙ダウンロードコーナーも用意した。

 情熱ミーティングは3カ月に一度の割合で更新。今後、役員や社員なども対談に参加する予定だという。

  • 鮫島選手が登場するキヤノンS&Sのトップページ

  • 情報ミーティングでは、鮫島選手と芦澤社長との対談を掲載

  • スペシャルムービーでは同社社員も登場する

 同社は2012年6月にもサイトを大幅にリニューアル。12月12日にも一部変更を加え、ドキュメントソリューションや情報共有ソリューション、クラウドソリューションなどの9つのソリューション別メニューを設置したほか、業種別や課題・目的別からの検索も容易にし、使い勝手を改善してきた。今回の鮫島選手の起用にあわせたサイトリニューアルによって、エンドユーザーにより身近な雰囲気を与えることができるようにし、同社サイトの利用促進を図っていくことになるという。

なぜ鮫島選手か、なぜなでしこジャパンか

 キヤノンシステムアンドサポートは、1980年5月に設立したキヤノンマーケティングジャパンの販売子会社で、コピア販売が前身となっている。

 キヤノンブランドの製品およびソリューションのほか、他社ブランドのIT関連機器のコンサルティングやセールスを展開。全国26万件の顧客に対して、約200拠点を通じたサービス・サポート体制を構築している。

 2011年度の売上高は987億円で、社員数は5700人。

 芦澤社長は、「当社の仕事は、お客様がビジネスにおいて『得点』をあげるのをサポートすること。鮫島選手のサイドバックのポジションは攻撃に参加する一方、ディフェンス面ではセンターバックとしてのカバーリングやサポートなども考えて動かなくてはならない。その臨機応変な対応が、当社のビジネススタイルにつながる。サッカーはシステムを組んで様々な形で攻め込み、それでいて1点を入れるまでの大変さが、我々の仕事と共通している。競合を重ねて、やっと商談が決まるということもある」などとコメント。

 さらに「なでしこジャパンは、佐々木則夫監督のもとで良いコミュニケーションが生まれ、ときには駄洒落で場を和ます。そして選手自らが考えて行動する。キヤノンシステムアンドサポートは、知的体育会系集団を目指しており、自ら動くことを課している。また、明るい空気がないと知恵は出てこない。そうした風土を目指している。支店長クラスには、佐々木監督を見習ってほしい。また、なでしこジャパンのように、先輩と後輩がツーウェイコミュニケーションを取り、後輩から意見があがってくるような環境を作りたい」とする。

 鮫島選手のコミュニケーションパートナーへの起用は、ユーザー企業に対するメッセージを伝えやすくする狙いとともに、顧客のビジネスをアシストするという同社の姿勢を前面に打ち出す狙いがある。そしてもうひとつ、同社社員に対して、知的体育会系集団としての企業文化醸成を加速するという隠れたメッセージもありそうだ。また、サポート部門などには女性社員も多く、女性の視点からみても鮫島選手の起用は励みになるといえよう。

 なでしこジャパンの鮫島選手のコミュニケーションパートナーへの起用は、多くの意味を持ったものだといえそうだ。

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