郡社長は「非公開化によって、四半期ごとの業績という短期的な視点での取り組みだけでなく、1〜2年後の結果を見据えるといった中長期的な視点での取り組みにも注力できるようになる。ソリューションブロバイダーとして、エンド・トゥ・エンドのソリューションを提供するというビジョンに向かって、買収戦略を含めて積極化できる」とコメント。「我々が正しいと思う方向に進むことができ、それはお客様にとってもプラスになる」などとした。
デルの非公開化は、これまでに比べて買収戦略を加速できる「攻め」の体質の構築ともいえる。
そして3つめには、クラウドでの国内本格展開をはじめ、2014年度の事業戦略において3つの領域に力を注ぐ姿勢を明らかにした点だ。
郡社長が2014年度の注力分野にあげたのが「クラウド」「セキュリティ」「製品・サービス」である。
クラウドに関しては、すでに米国で開始しているプライベートクラウドサービス「Dell Cloud Dedicated(DCD)」を日本で展開。「オンプレミスとのハイブリットモデルの提案を進めるとともに、グローバル企業に対して全世界をカバーするデルの強みも提案していきたい」とする。
また、セキュリティではDell SecureWorksやDell SonicWALLといった戦略製品とともに、Dell Wyseによるシンクライアント事業を加速させる。情報セキュリティに関するコンサルティングサービスを加えながら、「ITセキュリティ対策における日本でのトッププレーヤーを目指す」とした。
さらに製品・サービスでは、Fluid Data Architectureによる自動最適化の提案を加速するほか、サーバ、ストレージ、ネットワークの一括管理ソリューションであるActive Infrastructureを、今年度中に国内投入することも明らかにした。
これまで他社に先行されていたプライベートクラウドの提案を本格化するという意味でも「逆襲」という言葉が当てはまりそうだ。また、残る2つの領域においても、新たな製品群の投入によってデルの存在感を高め、事業成長を目指す考えを示す。
そして、今回の事業方針発表には含まれなかったコンシューマ事業に関しても、「先週、米国本社で行われた幹部が出席する会議で、コンシューマ事業でも継続的に製品投入を行い、今後も重要な事業に位置づけることが確認された。BYODが進展するなかで、この分野でデルの強みは必ず発揮できる。チャレンジングな製品を引き続き投入していくことになる」と語る。
ここでも「逆襲」という言葉が当てはまりそうだ。
BYODが浸透した現代、新たなコンシューマ製品の投入にも意欲を見せた
「逆襲していく姿勢をデル日本法人全体に速く浸透させたい」と、郡社長は語る。
今年、デルの日本法人は営業を開始してから20周年の節目を迎えている。すでに、それにあわせた積極的なキャンペーンも展開中だ。
「20年前からデルが一番大事にしてきたのは、お客様とのダイレクトな関係を結ぶという点。これがデルの成長の拠り所である」
20年前からの基本姿勢を崩さずに「逆襲」に向かうのが、今年のデル日本法人の決意だといえる。
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