新中期経営計画にみるセイコーエプソンの事業構造改革の要諦 - (page 2)

大河原克行

2013-03-19 12:19

 ビジュアルコミュニケーション事業では「マイクロディスプレイ技術による全く新しいビジュアルコミュニケーションを創造する」ことが目標。「プロジェクタのあらゆる領域でNo.1となる」「HMD(ヘッドマウントディスプレイ)は、生活を革新する情報ツールとして新たな価値を創出」といったテーマを掲げる。

 新たなセグメントとして設定したセンシングシステム事業では「高精度センサにより、人の生活を改善する新しい価値を創造する」ことが事業方針。「健康・スポーツ・医療などの分野において、高精度センサによりデータを可視化させ活用する」という。リスト装着型のGPSランニング機器や脈拍計のほか、運動データを取り込むモーションセンシング機器などによる新規ビジネス創出を加速する。

 インダストリアルソリューションズ事業では、「高度なメカトロニクスにより、生産性を革新するロボットや生産機器を創造する」ことが目標。「精密メカトロニクス技術・インクジェット技術により、産業印刷のデジタル化やロボットの高機能化を先導し、FA・産業機器分野で新たな価値を創出する」ことに取り組む。

 マイクロデバイス事業とプレシジョンプロダクツ事業では「尖らせた技術により、他社にできない商品を創出し続ける」とし、「QMEMS(クオーツ+MEMS=Micro Electro Mechanical Systems)と半導体との融合により、小型化・高性能化を先導」「独自の精密加工技術で他社にできない商品を創出」といった取り組みを掲げた。

 設備投資では、新規領域やプリンティングシステムなどの情報関連機器を中心に、今後3年間で1200億円を計画している。

 碓井氏は「鍵になるのは、やはりプリンタ事業。コンシューマー領域だけでなくビジネスプリンタ、商業プリンタをいかに成長させるかにかかる」とする。

 基礎を築く3年間とする、この中期計画でビジネス事業を拡大する体質が構築できるか。この成果が次の成長を左右する、というのが碓井氏が打ち出した新中期計画の基本的姿勢となる。


SE15 後期 新中期経営計画

SE15 後期 新中期経営計画での事業体制

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