野村総合研究所(NRI)は4月11日、データを分析、活用してマーケティングの指標や手法の斬新なアイデアを募集する「マーケティング分析コンテスト2013」の開催を発表した。今回のテーマは「広告は景気を支えられるのか」。
NRIは、消費者の行動と企業の施策を可視化するサービス「Insight Signal」を2006年から提供。同サービスは、広告やPRなどのプロモーション施策をNRI独自のデータから分析、評価する。媒体選定やクリエイティブ作成の支援から主要評価指標(KPI)の設定、PDCAサイクルの支援も提供する。
マーケティング分析コンテストは2007年から開催。学術研究と企業の市場分析力の向上が目的。Insight Signalを通じて独自に収集した3000人の生活者の“シングルソースデータ”を分析対象にしている。
シングルソースデータは、同一人物の一定期間内のメディアへの接触状況と消費購買行動を収集したデータであり、生活者の行動や広告効果を分析する。NRIによれば、シングルソースデータは個人を特定する情報ではないという。
広告は企業の活力の鏡といわれるが、新しいツールが数多く登場するなど広告媒体が変化し、コミュニケーションの方法も複雑になっている。商品やサービスの特徴を伝え、生活者の態度を変えるため、広告戦略を立案するには、基盤となるデータと分析が重要になるとして、今回のテーマを選定したと説明している。
コンテストの参加資格は年齢、国籍を問わず、社会人か学生かも問わない。グループでの応募も可能。1人あたりの応募数に制限はないが、自作、未発表のものに限る(受賞は1人1点まで)。調査会社やコンサルティング会社、システム開発会社に勤務する人のエントリを断る場合もあるとしている。
コンテストへのエントリは専用サイトで10月末まで受け付ける。エントリフォームに必要事項を入力後、専用サイト上の参加申込書と誓約書に記入の上、事務局に郵送。書類が到着し、内容を確認した後で分析用のデータを郵送する。コンテスト終了後、データは返却する必要がある。
エントリした人を対象に5月24日と6月5日にNRIで説明会を開く。シングルソースデータの特徴やテーマ設定の指針、統計ソフトの使い方を含む具体的な分析手法を説明する。
提供するデータは、3000サンプルの同一調査対象者から、2月9日~4月6日に収集された広告宣伝メディアの接触状況と商品購買行動に関するデータを、未加工で提供する。
研究成果は、PowerPoint形式で30ページ以内にまとめ、要約文と応募用紙とともにメールか記録媒体を郵送する。締切日は11月15日(当日必着)。審査は、マーケティング手法としての斬新さやマーケティング戦略に示唆を与えているかどうかを重視する。
結果は2014年1月中旬に専用サイトで発表する。最優秀賞は20万円、優秀賞は10万円、佳作は5万円、1点ずつ選ばれる。