[La ministre Fleur Pellerin chante avec Nolwenn Leroy (ONPC)(テレビのトークショー番組に出演し、歌も披露したペルラン大臣)]
今回はテクノロジー業界関連の「ワイドショーネタ」をいった類の話をひとつ。
先週、アップルが「AppGratis」というアプリを「iTunesのApp Storeから叩き出した」という話題が一部で話題になっていた。CNET Japanでも下記のニュースが出されていた。
このAppGratisの提供元であるアイメディアアップ(iMediaapp)がフランス企業であることから、自国のネットベンチャー企業を後押しする立ち場にある大臣が「アップルの専横的な仕打ちに噛みついた」……。そんな話が米国時間12日にはThe VergeやAllThingsDなどいくつかのブログで採り上げられていた。CNETのNews.comでも大ベテラン編集者のチャールズ・クーパーが筆をとっている。いずれも参照元は仏LeMondeの記事のようだ。
この記事によると、仏オーランド政権で中小企業、イノベーション、デジタル経済担当相に任命されたフルール・ペルランという女性大臣(1973年生まれ:註1)が、AppGratisを追い出したアップルのやり方を「きわめて野蛮な扱い」と非難。そういう仕打ちを受けて「自国のベンチャー企業が危険な立ち場に置かれている」「ベンチャー企業のビジネスモデルが、(アップルの)一方的な判断で一夜にして危機にさらされるような事態が続けば、ベンチャー企業に投資する意味はなくなってしまう」などとして、欧州の規制当局に対し、検索やソーシャルメディア関連も含めたデジタルプラットフォーム──つまり、アップルやグーグル、フェイスブックなどへの監督を強化するよう求めるつもり、と語ったという。またこの話題に触れたReutersでは「アップルほどの規模の会社がとる振る舞いではない」とも語ったと伝えられている(註1)。
アップルのサードパーティ製iOSアプリの扱いに関わる曖昧さ(もしくは、App Storeでの恣意的な規定運用のしかた)とか、あるいはApp Storeの弱点を突いてお金儲けを企む業者の存在というのは、格別目新しい話題でもない。
またEUや加盟各国の政府が米国の大手企業のやり方にいちいち文句をつける、というのも同様で、かつてのマイクロソフトや現在のグーグルを相手にした独禁法関連のやりとりを思えば、これくらいのクレームは何でもないとの印象も受ける。なので、「当事者同士で納得のいくまで徹底的にやりあい、決着をつけるのがよろしかろう」というくらいのことしか思い浮かばない。
[Fleur Pellerin, France's First Korean-Born Minister [Korea Today]
このインタビューの中で「私は生後6カ月目からフランス人の両親の下で、フランス文化のなかで育った」「自分の閣僚就任を大騒ぎして伝えていた(一度も足を運んだことのなかった)韓国のメディアの反応に驚いた」などといっている。