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三国大洋のスクラップブック

意外な組み合わせが面白い--「TIME 100」テクノロジ分野の人選と人物評 - (page 2)

三国大洋

2013-04-26 19:19

 ほかに、Apple、Microsoft、Googleと渡り歩き、現在は北京で自分のVC兼インキュベーターを運営しているカイフー・リーも100人のなかに選ばれている。年輩の読者のなかにはその昔「この人がMicrosoftの研究開発部門からGoogleに移ると聞いて、激怒したスティーブ・バルマーが椅子を放り投げた」といったニュースが出ていたのを思い出される方もいるかもしれない。

 リーへのコメントはアリアナ・ハフィントン(Huffington Post創業者)が寄せており、その内容もソーシャルメディアを駆使してオンラインやリアルでの自由(Freedom)を追求する人物の代表、といった書かれ方。この背景には当然、ユーザー数が数億人を数える中国でのソーシャルメディアの台頭(リーのSina Weiboアカウントには3000万人もフォロワーがいる、などとも書かれている)があり、そこでの言論を取り締まる中国政府の現状がある。

 一方、選ばれた人よりもコメントを寄せた人の方が(多分)はるかに有名という組み合わせもいくつかある。その1つは、UNICEFの若い(30歳代前半の)2人のスタッフ、クリストファー・ファビアンとエリカ・コッチのコンビで、コメントを寄せているのは先週来日もしていたTwitter&Squareのジャック・ドーシー。  そのコメントをみると、このふたりはナイジェリアでテキストメッセージを送信するだけで出生登録ができるような仕組みなどを開発・実装しているとある。ナイジェリアで1年間に生まれる600万人以上の子供のうち、半数以上が出生証明書もない、そのために教育も予防接種も医療サービスも受けられないといった状況で、この仕組みがあればそんな子供たちを減らすことに役立つのだという。

 オンライン教育の分野からは、2013年はこのところ勢いのあるMOOCのひとつ、Courseraの共同創業者ふたり(アンドリュー・ヌングとダフィー・コーラー)が選ばれている。2012年のリストではサルマン・カーン(Kahn Academy創業者)が選ばれていた(コメントはビル・ゲイツ)から、このセレクション自体はそれほど意外でもないが、このページで目を惹いたのはコメント寄稿者の方--エゼキエル・エマニュエルという医学分野の専門家で「エマニュエル三兄弟の長男」としても知られる人物だ。なんでこんなところに出てくるんだ? とコメントをよく読んでみたら「最近自分もCourseraで初めて授業を行った。するとスリランカの学生から、感謝のメッセージが書かれた素敵な絵葉書が届いた」などと書かれている。こういう人物もMOOCで教えるようになっているのだな、と改めて感心した次第。

 さて。最後はAppleのジョニー・アイブ(デザイン責任者)について。「アーティスト」のカテゴリに分類されたアイブには、U2のボノがコメントしている(アイザクソンの「スティーブ・ジョブズ」公認伝記本を読まれた方には特に意外な組み合わせでもないだろう)。また英国ですでに爵位を授かっているアイブだから、いまさら「影響力」云々で取り上げてもあまり新鮮味がないようにも思われる。

 ただし、このボノのコメント自体はかなり面白い。いわく「これほど賢い人間たちがこれほど一生懸命になって働いているのは単にお金のためではない(そのように仕向けることはできない)、そのことを(Appleの)競合他社は理解していないように思われる」

 「アイブは(映画『スターウォーズ』に出てくる)オビワンであり、彼のデザインチームはジェダイ戦士の集まりのようなもの」といった具合……。少なくとも英語のニュース空間ではすっかり勢いを失った感のある(しかも株価は2011年8月下旬のトップ交代時の水準に近づきつつある)Appleの窮状を救うため、それこそ「フォース」でもなんでも使って頑張ってほしいところと、いまだに(そして多分これからも)Apple製品しか使えない人間としては切にそう願う次第である。

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