富士通と電通は5月16日、ビッグデータを活用したマーケティング領域の事業で協業することで合意した。両社でコンサルティングサービスを提供するとともに、新しいサービスを共同で開発する。提供されるコンサルティングサービスは(1)マーケティングデザイン、(2)事業開発プロデュース、(3)導入ワークショップ――の3つ。
マーケティングデザインは、ユーザー企業が所有する業務データとセンサデータ、行政機関が保有する“オープンデータ”などを統合的に分析し、企業全体のマーケティングプロセスの革新につなげるというプログラム。消費者への洞察を深掘りして新しい課題を発見し、リアルタイムな戦略を立案、費用対効果の高い施策の実施までをワンストップで提供する。
事業開発プロデュースは、ビッグデータを活用した新事業を開発するためのコンサルティングプログラム。データを保有する企業とサービスを提供する企業のマッチングも展開して、異業種連携によるイノベーションの実現を目指すと説明している。
導入ワークショップでは、マーケティングや情報システム部門などユーザー企業の複数の部門を横断して実施するプログラム。各関連部門が参加することで、マーケティング活動やサービスでの課題、取り組むべきテーマを抽出し、それらの活動から得られたマーケティングプロセスの全体像を構築することで、ビッグデータを最大限に活用できる体制を整備するとしている。
サービスの共同開発では、ユーザー企業のマーケティング業務を革新させるという。第1弾として、富士通が収集するセンサデータをマーケティングに利活用するサービスを提供する。
ビデオリサーチが協力して、同社の調査パネルが、スマートフォンで手軽に肌の状態をチェックできる、富士通のクラウドサービス「肌メモリ」を定期的に活用。パネル自身の肌のデータをクラウド上に収集する。同時にパネルの日々の生活行動や利用している美容系・健康系食品のアンケートも収集、肌データとの組み合わせでマーケティングデータを提供する。