Linuxはいかにして大企業で採用されるようになったのか

Jack Wallen (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 2013年05月24日 07時30分

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 Linuxは、大規模なエンタープライズコンピューティングからの要求に応えられる比類ない力を有している。本記事では進化というキーワードを軸にして、Linuxがエンタープライズシステムに与えてきた影響の軌跡をたどる。

 筆者がLinuxを使い始めた時、このプラットフォームはコンピューティングのあらゆる側面を瞬く間に席巻するであろうと確信していた。それにはちゃんとした理由があった。Linuxは、Windowsプラットフォームで指摘されていたような短所を抱えておらず、費用対効果に優れ、信頼性が高く、そしてセキュアであったためだ。

 その後、時計の針は10年以上進んだものの、Linuxが家庭用PCのOSとして、あるいは中小企業の業務用プラットフォームとして広く受け入れられるまでには至っていない(ただ、少しずつ採用が進んでいる)。しかし、デスクトップを巡る混戦のなか、少し違ったこと(それも多くの人が予想し得なかったこと)が起こった。それは、規模のより大きな企業、すなわちエンタープライズレベルの企業におけるLinuxの普及である。大企業のデスクトップからサーバに至るまでのさまざまなマシンで、Linuxがそこそこ一般的になっているという話があちこちで聞かれるようになった。なぜこのような状況になったのだろうか?答えは簡単だ。進化が起こったのだ。ただ進化と言っても、アプリケーションのコードが進化しただけではない。ディストリビューションの開発企業、そして開発者や設計者、企業の最高情報責任者(CIO)や最高執行責任者(COO)といった、さまざまな組織や役割においても進化が起こったのである。そして、これらすべてが組み合わさった結果、大企業におけるLinuxの採用を推し進める強力な追い風となったわけだ。ではこういった追い風を構成する要素を見てみよう。

ディストリビューションのマインドセット

 覚えている人もいると思うが、昔の「Red Hat Linux」というディストリビューションはデスクトップ向けのものであった。しかし、Red Hat Linuxが「Fedora」と「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)に枝分かれした頃から状況は変わってきた。Red Hatは大企業分野への進出を目標に掲げ、業務の運用という観点を最重要視するようになった。この素晴らしい方針転換がなされる前までのRed Hatのディストリビューションは、Linuxというプラットフォームをユーザーの手に送り届けることだけを目標にしていた。オタク向けのニッチなオモチャでい続けるのであれば、これでもまったく問題はなかった。しかし、Red Hatは自らのディストリビューションが持つ能力を正しく理解した結果、今や10億ドル規模の企業となり、Linuxカーネルの主要なコントリビューター企業という立場にまでなった。

 Linuxカーネルの主要なコントリビューター企業になったという点は特に重要だ。これによりRed Hatは大企業のニーズを満足させるうえで必要となるカーネルの洗練を継続できるというわけだ。

 とは言うものの、Linuxプラットフォームの理念を追求したのはRed Hatだけではない。Canonicalは、デスクトップ環境を中心に据えた「Ubuntu」というディストリビューションに基づいたビジネスモデルに向けて舵を切った。そして、デスクトップのインターフェースを「Unity」に切り替え、Ubuntuが稼働するデバイスすべてのインターフェースを統一することで、ずっと容易にサポートできるようにした。それだけではなくCanonicalは、Ubuntuのあらゆる側面を洗練させ、プロフェッショナルの利用に耐えられるようにもした。否定しようとする人も多いかもしれないが、ビジネスの世界ではイメージというものが大きな役割を果たしているのだ。LinuxのイメージはRed HatとCanonicalの取り組みにより、大企業のニーズを今すぐに満足できるだけの能力を有したOSというものへと進化したのである。

 しかしソフトウェア自体はどうなのだろうか?どのように進化したのだろうか?

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