IDC Japanは6月24日、国内モバイル端末市場の2013年第1四半期(1~3月)の出荷台数を発表した。スマートフォン、タブレット、データ通信端末、PCを対象としている。1~3月の総出荷台数は前年同期比9.7%増の1358万台となっている。PCは前年同期比で4.6%減となり、スマートフォンも成長が鈍化したが、タブレットが急成長したことで、総出荷台数が伸びた。
モバイル端末市場の主力となるスマートフォンの出荷台数は、前年同期比4.0%増の681万台。成長率が1桁台にとどまった要因には、Android端末の出荷台数が前年同期比ベースで減少となったことが挙げられるという。その一方で、KDDIとソフトバンクモバイルから提供されている「iPhone 5」が好調を維持していると説明している。
タブレットの出荷は、前年同期比187.2%増の201万台となり、2四半期連続で200万台の出荷を記録している。急成長している要因として、Amazonの「Kindle Fire」やGoogleの「Nexus 7」などの低価格タブレットが個人ユーザー層を中心に浸透し、市場が急拡大していることを挙げている。
また、通信事業者の販売奨励金の上乗せ戦略でLTE方式搭載のタブレット出荷台数が増加していること、法人向け需要が堅調に推移していることも挙げている。好調に出荷台数が増加しているタブレット市場だが、出荷台数と販売台数に乖離(かいり)が生じ始めていることから、在庫問題への発展がひとつの懸念材料になると指摘している。
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2012~2017年の国内モバイル端末出荷台数予測(出典:IDC Japan)
IDC Japanの木村融人氏(PC, 携帯端末&クライアントソリューションシニアマーケットアナリスト)はモバイル端末市場を短期的に見て「スマートフォン需要は当初の見通し通り、2013年には3000万台超となるが、年間の成長率は鈍化し、1桁成長にとどまる可能性がある」と説明する。
続けて「タブレット市場は、低価格製品の市場拡大で引き続き需要は拡大傾向を続ける可能性がある。在庫問題への懸念に加え、ベンダー間の低コスト競争は熾烈になり、収益構造にマイナスの影響を与える可能性がある」と解説している。
長期的な見通しとして「スマートフォンの出荷台数は2017年に3708万台にまで拡大する。タブレットも2017年に969万台の出荷」を予測している。