運用コスト削減で評価が高いのは「大型案件化によるディスカウント」

山田竜司 (編集部)

2013-07-17 12:43

 アイ・ティ・アール(ITR)は7月17日、「IT運用コストの削減施策に関する調査」の結果を発表した。調査は5月に実施し た。有効回答数は200社。

 調査では、運用維持コストの削減についてどのように考えているかの設問に対し、「喫緊の課題」(37%)、「中長期的な課題」(56%)と、9割以上の企業が自社の運用コストをいかに削減するかを課題としているという結果だった。

 「現在行っているコスト削減施策についての実施状況」に関する設問では、「ベンダー値引き交渉」(67%)、「集中購買(機器/ライセンス)」(55%)、「IAサーバ仮想化/ストレージ統合」(55%)などに回答が集まった。続いて「保守契約/条件の見直し」「IT投資戦略/予算管理/コスト評価の見直し」「機器/ソフトウェアの標準化」などもそれぞれ過半数の企業がすでに実施済みだった。比較的ITマネジメント分野の施策で実施率が高い傾向にあると説明している。

 現在「検討・計画中」であるとされたコスト削減施策は、「クラウドサービスの活用(IaaS/PaaS)」(46%)に最も回答が集まった。次いで「クラウドサービスの活用(SaaS)」があがり、クラウドによるコスト削減の期待の高さが表れる結果だった。また、次点となる「運用管理/データセンター業務の自動化」「過剰な信頼性/冗長化対策の見直し」「開発・運用の生産性/効率の向上」「IT投資戦略/予算管理/コスト評価の見直し」などの項目は、いずれも4割以上の企業において検討・計画されているという。


企業における各施策の削減効果の評価

 ITRが「企業における各施策の削減効果の評価」を指数化したところ、ITマネジメント分野では、「大型案件化によるディスカウント」「集中購買(機器/ライセンス)」「外部委託における競争入札方式の導入」「ベンダー値引き交渉」の削減効果が高いと評価されていることがわかった。この数値を実施率(横軸)とともに掛け合わせると、大型案件化や競争入札方式の実施率は3~4割程度だが、実施企業においては削減効果が高いと評価されている。

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