現行のPowerVMに加え、2014年には新しいKVMプラットフォームをPowerLinuxに拡大することもIBMはすでに発表。従来、ハードウェアではIAサーバしかなかった選択肢をPowerLinuxシリーズにも拡大する。
IBMでは、このようにOSSとの連携によるエコシステム作りに注力しており、PowerLinux 7R4についてはレッドハット、PostgreSQLをベースとしたデータベース事業を展開するエンタープライズDBと協業する。
レッドハット グローバルサービス本部 藤田稜氏
エンタープライズDB 代表取締役社長 藤田祐治氏
レッドハットとは、同社の恵比寿オフィスに「PowerLinux検証センタ」を設置。検証機でアプリケーションを検証できる環境を提供する。レッドハットのグローバルサービス本部 藤田稜氏は、“Power+レッドハット”の強みをこうアピールした。
「IAの仮想化は集約によってコストを削減する代わりに、リスクを集約するマイナスがある。それに比べて、PowerVMはハードウェアベースの仮想化でリスクを最小限に抑えられるので、ミッションクリティカルな仮想化に適している。二進法の限界として複利計算、科学技術計算には正確な計算ができないが、Powerでは十進数の小数点演算ユニットをサポートし、正確な計算が行えるといったメリットがある」
エンタープライズDBでは、Oracle Databaseとの互換性が特徴という「Postgres Plus Advanced Server」にOracle DB、Sybase、SQL Server、MySQLから移行する際の支援ツールキットを提供し、アプリケーション全体のデータとビジネスロジックからの自動移行が可能という。
「われわれはOracle互換機能と移行するツールを提供し、Oracle DBのライセンスと年間サポート料金負担を大幅に軽減する選択肢を提供する。ライセンス費用はゼロ、年間保守費用は83%の削減、5年間で91%のコスト削減を実現できる。今回、PowerLinux版もx86版と同等価格の年間1CPUあたり75万円で提供する」(エンタープライズDB 代表取締役社長 藤田祐治氏)
IBMでは、パートナーとの連携でハードだけでなく、アプリケーションのエコシステムを拡充させていく方針だ。